目の描き方の基本

自分用のiPad Proを購入してウキウキ気分な子猫2000です。 ちょっと日が空きましたが、久々にイラスト未経験者向けの話の続きをしようと思います。前回はイラストの保存に適した形式は何かについて紹介しました。今回は萌え絵を描く上での基本中の基本である「目の描き方」に関する基本知識について紹介します。

萌え絵の目というと現実のそれよりも非常に大きいため、最初は「何がなにやら……」という感じだと思います。私もまさにそうでした。ですが、法則さえ掴んでしまえばそこまで難しいと感じなくなるものです。イラストのデフォルメ具合にもよりますが、目は絵柄やキャラクター性を左右する非常に大事な部分です。当たり前ですが、ただ見るだけでは中々覚えません。手元に紙と鉛筆を用意して、真似して描きながらご覧下さい。

基本は三等分

というわけで目の描き方です。これから説明をする上で目の各部に関して以下図のように呼称します。

各部の呼称について

まずは目の横幅の話からです。
縦幅と横幅の比率についてはぶっちゃけ「絵柄」です。自分の好きな比率を採用すればいいでしょう。縦横の比率がよく分からない場合は、自分が好きな絵柄のイラストを模写すると良いです。そういうわけなので、ここでは縦横の比率については触れません。代わりに紹介するのは目の横幅の話です。より具体的に言うならば「上まつげ」の横幅と形状についての話です。

キャラクターを描く際には、キャラごとの描き分けをすることになるかと思います。それを極端に2択で言うなら「ツリ目」と「垂れ目」です。そのツリ目と垂れ目の描き分けで最も重要になってくるのが「上まつげ」です。程度の差はあれど、ほぼ全ての目はどちらかに分類できます。一部特殊な例として「ジト目」という物もありますが、また別の描き方になるため今回は割愛します。
(ちなみに私はツリ目が好きです)

というわけで本題です。

三等分の位置がポイント

上まつげの横幅を3等分した際に「1:2」もしくは「2:1」の比率になる箇所で線を曲げます。これが萌え絵の基本法則です。

目尻側が上に来ていれば「ツリ目」になり、逆に目尻側が下に来ていれば「垂れ目」になります。ここに、カーブの緩やかさや、縦幅の長さの違い、まつげの描き方、などの要素が加わることで色々な種類の目になります。

垂れ目とツリ目の描き分け

続いて、更に垂れ目とツリ目の描き分けについて踏み込んでみましょう。

垂れ目1
垂れ目2
ツリ目1
ツリ目2

2種類ずつ「垂れ目」と「ツリ目」を描きましたが、それぞれちがった印象を受けるかと思います。違いは「下まつげ」です。

左目を正面から見た場合を例に考えてみます。
上まつげなら右肩上がりが「ツリ目」で、右肩下がりが「垂れ目」であることは先ほど見たとおりです。ここで、下まつげの角度を右肩上がりにすると「ツリ目寄り」になり、右肩下がりにすると「垂れ目寄り」になります。

これを利用することで、「強気なツリ目」と「優しいツリ目」のような描き分けができるようになります。

なお、最近(2018/09/01 記事執筆)の絵柄の流行で言うと、「萌え絵において下まつげは描かない、もしくは描いてもほんの少しだけ」という傾向があります。この場合は「瞳や白目の下端をそこにまつげが存在するものとして削る」ことで、下まつげの描き分けが可能です。覚えて置いてください。

下まつげと上まつげは繋がるようイメージして描く

また、下まつげを描く際には、上まつげと繋がるように描くことを意識してください。線を描く段階では白目は描きませんが、脳内で色塗りをするイメージをして、白目の境界線がどこにくるかを意識すると、自然な流れで下まつげを描くことが出来ると思います。

瞳を大きくすることのメリットとデメリット

次に瞳の大きさについてですが、まず結論から言います。マンガなら瞳を小さくし、イラストなら瞳を大きくするのがオススメです。

瞳を大きくすると、「目が大きく見える ≒ 魅力的に見える」という最大のメリットがあります。人間は目全体の大きさに対して瞳が大きいと魅力的に見えるように出来ています。リアルの話で、女の子が化粧として瞳が大きく見えるコンタクトを使いますよね。あれも原理は一緒です。

というわけで、萌え絵を描くなら基本的に瞳は大きく描いた方が良いです。

ですが、瞳を大きくすることにもデメリットがあります。
それは、瞳を大きくすると感情表現が難しくなることです。そのため、感情表現を誇張する事が重要なマンガでは瞳は小さめに描かれることが多いです。手元にマンガとイラストがあれば是非比較してみてください。

この瞳の描き方も人によって千差万別なので、自分の好きな絵柄の絵を真似するところから入ることをオススメします。

まつげの描きこみについて

最後に、可愛さをアップさせるまつげの描きこみについてです。
リアルの目では、まつげは100本以上生えていますが、デフォルメしたイラストでそんなに描き込んだら気持ち悪くなります。そもそも、上まつげの線自体がデフォルメした結果なので、描き込みする際に描くまつ毛は特に飛び出ているまつ毛のデフォルメです。

では何本くらい描くのか?という部分ですが、3~7本程度です。

例えば5本ならこんな感じ

根元が太く、先端に行くほど細くなり、若干カールすることを意識するといいです。筆圧を調整できれば1発で描けるようになります。先述のとおり、最近の絵柄の流行ではあまり下まつげは書き込まないので、主に上まつげに描き込みをすることになるかと思います。この描き方も絵柄によって違いがあるので、自分の好きな形を探してみてください。

まとめ

  • 目の横幅を三等分して上まつげに角度をつけよう
  • ツリ目・垂れ目の描き分けには、下まつげの角度も意識しよう
  • 下まつげは上まつげに繋がるような角度を意識しよう
  • 可愛さを重視するなら瞳は大きめに、感情表現を重視するなら瞳は小さめに描こう
  • 上まつげの描き込みは3~7本程度が目安
  • 好きな絵柄の目を真似しよう

今回の話を要約すると以上です。

結局は自分の好きな絵柄の目を真似する事が上達への近道です。まずは正面顔の目から始めて、横顔や斜め顔などの目も模写してみてください。最初は両目のバランスを取るのが難しいと思いますので、片目だけ模写するのも良いかもしれません。ですが、描かない物はいつまで経っても描けるようになりませんので、徐々に両目を描くように心がけてください。

今回は以上です。
ここまで読んでいただきありがとうございました。