VFC製KAC PDWレビュー

もう1月2日ですが、あけましておめでとうございます。絶賛ぐうたら正月を過ごしております子猫2000です。あまりぐうたらしすぎているのもアレなので、去年「書こう、書こう……」と思いつつも結局書かなかったVFC製電動ガンKAC PDWのレビューでも書こうと思います。

KAC PDWとは

アメリカのナイツ・アーマメント・カンパニー社が2006年に発表した、”PDW”の名を冠する自動小銃。専用の新型弾である6mm×35弾を使用する。
ロアレシーバーはAR15タイプではあるが、ストックは伸縮式ではなくサイドスイング式のものを採用。軽量化のため、銃身表面に特徴的なくぼみが設けられている。またAR15には搭載されているボルトフォワードアシストやシェルディフレクターは存在しない。ちなみに、リコイルはM4カービンより50%減という。

MEDIAGUN DATABASE

というわけで、実銃のお話は丸投げしましたが、SR-25などを作成したナイツ・アーマメント社が作成したAR-15系のPDW試作機です。実銃は残念ながら試作で終わってしまいましたが、その独特なフォルムから人気があるのか、ゲームでは結構見かける印象です。

というか、リコイルがM4カービン比50%減って凄いなぁ……

VFC製電動ガンのKAC PDWとは

独自口径の弾薬を使用したり、独特の外装設計となっているKAC PDWですが、2020/01/02時点ではVFCとGolden Eagleの2社から電動ガンが発売されています。Golden Eagle製の方が後発で、そちらの方がお値段も控えめになっているのですが、私のメーカー的な信頼感から今回はVFC製を購入しました。

VFC製KAC PDWはナイツ・アーマメント社正式ライセンスモデルのようで、刻印なども実銃準拠となっています。私はサバゲーで実際に使用するために購入しましたが、リアル刻印となればコレクション目的としても嬉しいですね。

外観レビュー

というわけで、実際に本体を見ていきましょう。

外箱は黒を基調としたシックな印象

まずは外箱から。よくある段ボール製ながら、黒を基調としてシンプルにまとめたシックな印象を与えるデザインとなっています。オシャレ!

本体はストックを折りたたんだ状態で入っている

蓋を開けるとKAC PDWがストックを折りたたまれた状態で鎮座しています。今回私がKAC PDWを選んだ理由の1つでもありますが、折りたたみ式ストックのため非常にコンパクトになります。KAC PDWには8inchモデルと、10inchモデルの2種類が存在しますが、今回購入した8inchモデルでは折りたたんだ際の長さは、なんと442mm!!比較用に有名なモデルを挙げてみますと下表のようになります。

モデル長さ(mm)
KAC PDW 8inch (折り畳み)442
M4A1カービン850
MP5550
P90500

長物でありながら、ここまでコンパクトになる銃はなかなか存在しません。サバゲー用荷物の軽量化/コンパクト化に邁進している私の心に度ストライクでした。

内容物一覧

内容物は以下の通り。

  • KAC PDW本体
  • PEQ-15型バッテリーケース
  • 純正マガジン(ノーマル120連)
  • 説明書

当モデルは折りたたみストックということもあり、バッテリーは外付けとなっています。その外付けバッテリーを格納するためのケースが付属しているのですが、サイズ的な問題から残念ながらミニSタイプのバッテリーは入りませんでした。仕方がないので1100mAhの更に小さいリポバッテリーを購入。今度は逆に少し余裕があるので、3点バースト変換ユニットなどを一緒に入れることも出来るかもしれません。後日試してみたところあと一歩足りず、入れられませんでした。

上記のPEQ-15型バッテリーケースには、デコレーション用シールが付属しており、自分の好みのものを貼り付けることができます。

エアガンレビューで有名なハイパー道楽さんの記事では、純正マガジンで射撃できない不具合があると記載されており、戦々恐々としながら購入しましたが、私の購入した個体は特にそんなこともなく、問題なくBB弾を発射できました。ナイツ・アーマメント正式刻印もあり、デザイン的にも素晴らしいマガジンとなっています。

ただし、このマガジン難点が2つあります。1つはマガジンのバネが非常に硬いこと。VFC公称値では120発まで入るらしいのですが、非力な私では90発ほどが限界でした。そのくらいマガジン内のバネが非常に硬いです。

もう1つの難点は本体にマガジンが挿さりづらいこと。サイズ的にギリギリなのか結構渋く、半ば叩くようにして挿れていました。しかし、何回かサバゲーで使用しているうちにアタリがついてきたのか、購入当初よりは入れやすくなりました。

折りたたみストックの固定方法

KAC PDWの特徴の1つでもある折りたたみストックの固定はレシーバー右側面に飛び出たピンにストックの穴を入れる形で固定します。ストック側の穴にはバネのテンションが掛かったロック用の部品があり、カチっとしっかり固定してくれます。

……が、このバネが非常に強力です。

強力すぎて、入りません!!

仕方がないので小さいマイナスドライバーなどで、ロック用の部品を押し込んだ状態で、ストックの折りたたみロックをかけています。あまりにも硬いので、その内バネを少し切ろうかと迷っているほどです。

ストック基部の固定具

ストック基部もバネのテンションで固定する形式となっています。こちらはバネが硬すぎるということもなく、ほどよいテンションです。金属製ということもあり、ストック展開状態でもガタツキは一切なく、工作精度の高さに感動します。

本体前面部

続いて本体前面部。写真でも薄っすらと梨地加工された表面処理が伝わるのではないでしょうか。本体は金属製+梨地加工の表面処理により非常に高級感あふれる仕上げとなっています。銀色に輝くガスチューブが覗くのもまたオシャレです。このガスチューブがなければバッテリー内蔵式にできたかもしれませんが、これはこれでオシャレなので、外部バッテリー式で正解だったのではないかと思います。

バックアップサイトとして可倒式のアイアンサイトが付属しています。ダイヤルで左右調整がきちんと出来る優れ物です。

ディンプル加工の施された独特なバレル

バレルはディンプル加工と呼ばれる半球状の穴が空いた独特の形状です。これがKAC PDWの特徴の1つでもあります。しかし実銃での採用例があまり見られないところを察するに、費用対効果としては微妙だったのかもしれません。

標準で付属しているフラッシュハイダーは細かいスリットが縦横に入った物。こちらも勿論金属製です。

ストック展開状態での本体右側面

ストック展開状態での本体右側面よりパシャリ。試作機だからなのかグリップはツルっとしたストレートタイプ。シンプルすぎるので、個人的には好みじゃないです。フィンガーチャネルタイプのグリップが良かったなぁ……と思うところ。

セミフル切り替えレバーや、マガジン着脱ボタンはアンビタイプとなっており、左利きの人でも安心して使用できる設計となっています。この辺はやはり設計が新しい銃という感じ。

マガジンハウジング右側面の刻印

気になる人は気になるであろうマガジンハウジング右側面の刻印です。ロゴは間違いなくナイツ・アーメメント公式のものです。刻印が本当に実銃と一致しているのかは……実銃画像が少なすぎて分かりませんでした\(^o^)/

記載内容だけ見れば本物っぽいです……とお茶を濁しておきます。

本体左側面

同じく本体左側面。こうして写真に撮ると如実に分かりますが、ロゴなどの刻印は浅めですね。ちなみに、セレクターなどのパーツも金属製。うーん、素晴らしい。

リアサイト

そういえばフロントサイトは映したけど、リアサイトはまだでした。とばかりに追加されるリアサイトの画像。フロントサイトと対になっている可倒式のアイアンサイトです。ハイパー道楽さんがレビューしていた物とは違う様子。ロットの違いでしょうかね。

チャージングハンドルはもちろん可動。引っ張ると……

ホップアップダイヤルへアクセスできます。まぁ、よくある形式ですよね。個人的グッドポイントですが、これ開いたままで固定されます!

再度閉じる際は、レシーバー左側面のボルトリリースボタンを押します。ホップ調整が行いやすくて良い仕組みだと思います。

フラッシュハイダーを外すと14mm逆ネジとなっている

フラッシュハイダーを外すと14mm逆ネジとなっており、各種サプレッサーやフラッシュハイダーなどへの換装ができる……のですが、8inchモデルではインナーバレルが飛び出しているため、物によっては使用できなかったりします。

例えば室内フィールドなどで使用する減速ハイダーが筆頭例です。インナーバレルが干渉してしまい、使用することができませんでした。

手元にあったXT301 COMPACT を装着

一方で手元にあったXT301(フルオートトレーサー)は14mm逆ネジアダプターを介して装着できました。使用面でも問題なく発光BBを発射できていました。

使用感レビュー

まず初速ですが、なんとこのコンパクトボディで0.2gBB使用93m/s前後を叩き出しました。80m/s程を想定していたので、これには驚愕。電動ガンということで初速のバラつきもそれほどなく、サバゲーでも安定して使用できそうです。

室内フィールドで使用した際はクイックショット(遮蔽物から一瞬出て射撃後、すぐに遮蔽物に隠れる撃ち方)をしても問題ないトリガーレスポンスの速さを見せつけてくれました。初速が高いこともあり、弾道も非常に素直に真っすぐ飛んでくれます。後日、連射速度を計測すると秒間20発ほど出ていました。スタンダード電動ガンが秒間15発であることを考えるとプチハイサイという感じでしょうか。

なにより折りたたみストックにより、非常にコンパクトになるため、サバゲー用荷物のコンパクト化に絶大な威力を発揮しました。以前よりサバゲー用荷物のコンパクト化を進めていた私の装備は、このKAC PDW導入により、ついに斜め掛けショルダーバッグ1つに収まってしまいました。公共交通機関を使用してサバゲーに行く方には、非常におススメしたいモデルです。

唯一残念なポイントはレシーバー左後方(グリップのすぐ上あたり)にQDスリング用パーツを取り付ける穴が空いているのですが、穴が浅くメカボと干渉してしまうため、各社QDスリングパーツが使用できません。VFCが出しているQDスリングなら付けられるのではないか? と思っていますが、店舗に在庫が無かったため試せませんでした。

とりあえず私は、ストックにスリングの紐を結び付けて使用することで問題なく使用できていますので、まぁQDスリング無しでも何とかなるかと思います。