3連休ですね。土曜は登山、日曜はサバゲー、月曜は筋肉痛で行動不能な子猫2000です。
登山中にシカに遭遇しました。シッポふりふり、お耳ピロピロ、動かしていて可愛かったです。
前回の「棒人間すら描けないオタクが絵を描き始めるまでの話」の反響が良かったので、イラストの話をいくつか書いていくつもりです。といっても、いきなり難しい話に入ってもしょうがないので、段階的にステップアップしていく感じで進めるつもりです。というわけで、まだ導入の段階の話をします。具体的な技術の話が聞きたい方はもうしばらくお待ち下さい。この記事の対象読者は前回同様、「絵を描いたことなんてないけど、描いてみたい」と思っている人です。
目次
私も絵を描いてみよう!……さて、なにを用意したらいいんだ?
「いざ自分も絵を描いてみよう!」と思い立ったは良いけれど、今まで絵を描いたことなんて無い人だと何を用意したらいいのか分からなくて困るかもしれません。
実際に、私がそうでした。そこで、今回は絵を描く手段について紹介します。
なお、記事を執筆している私自身がデジタル絵派なので、アナログによる仕上げの解説はあまりできません。その点はご注意下さい。(一応少しだけやりましたが……)
紙とペン
まずは紙とペン(もしくは鉛筆、シャーペン)。お絵かきと言えばコレです。
<メリット>
- 費用が安い
- 準備もなく手軽にできる
- ネットで公開しようと思ったらスキャナーが必要
この王道的手法は誰もが通る道だと思います。
シンプルながら「準備もなく手軽にできる」というメリットは大きく、
バッグにペンと紙さえ入れておけば、家に限らず出先などで絵を描くことができます。
紙は基本的にコピー用紙でいいです。(安いので)
ある程度上達してきて、こだわりたくなったら紙にもこだわる感じで。
ちなみに私は、画用紙なども持っていますが基本的にコピー用紙しか使っていません。
逆に描く道具については、ちょっとこだわった方がいいかもしれません。
まず、ペン、シャープペンシル、鉛筆、のどれを使うかについてですが、私個人の感想で言うと、
- 鉛筆
- シャープペンシル
- ペン
の順に初心者にはオススメしたいです。
なぜペンが最下位かというと、筆圧による変化がつけづらいためです。
逆に鉛筆をもっともオススメしたい理由は、筆圧による変化がつけやすいからです。使用する鉛筆は柔らかめの物を使用すると良いでしょう。私は6Bの硬筆用鉛筆を使用していますが、筆圧は個人差があるので、自分にあった硬さを探してみてもいいかもしれません。
シャープペンは鉛筆の筆圧機能を下位互換させて、細かい部分の描写力を上位互換させたイメージです。あと、シャープペンで描くと気持ち少しだけ上手く見えます。(でも筆圧で陰影まで表現させたら鉛筆の方が上手く見えます)
では、ペンは全く使わないのか?
というと、清書用に使うのはアリだと思います。
描いたものを写真にとると実際に見るより薄く見えるからです。
なので、アナログで描いたものをネットに上げる場合や、アナログで線画した絵をデジタルに取り込む場合などは、ペンで清書することでメリットを感じられるでしょう。
基本は鉛筆(もしくはシャープペンシル)で描き、清書にペンを使う。
これが私のオススメする使用用途です。
もちろん使用感や運搬性の違いから、必ずしもこの使用用途にしなければならないということは無いので、無理に鉛筆にこだわる必要はありません。
次に、ペンの直径についてです。
絵を描いたことの無い人だと太さについてあまり意識したことがないかもしれません。
こちらは単純です。
太いほど疲れにくく、細いほど細かい描写がしやすい
以上です。
アナログで絵を描く場合のペン選びについては、最近は色々なシャープペンが販売されていたり、鉛筆にジョイントして使用する器具が販売されているので、自分にあったものを探してみてください。
<私が使用しているアナログ用ペンの太さ比較>
左から「HBの鉛筆」「6Bの鉛筆」「0.3ミリのシャープペンシル」「0.5ミリボールペン」です。
ぶっちゃけ言うと、私はあまりアナログ用のペンはこだわっていません。
唯一こだわったのは0.3ミリの製図用シャープペン(銀色の物)ですが、これも「大好きなイラストレーターのカントクさんが使っているから」という不純極まりない理由です。
……理由は不純ですが使いやすいですよ(必死の弁明
続いてデジタル用ペンの話です。
初心者の方が勘違いするといけないので、先に注意事項です。
※ペンタブレットや液晶タブレットのペンは、それぞれの会社・機種に対応した物のみ使用できますので、購入の際は自分が持っている機器に対応しているか確認してください。
<私が使用しているペンタブレット用ペンの太さ比較>
※鉛筆は大きさ比較用に置きました。
見てのとおりめちゃくちゃ太い物と、細い物の2種類を使用しています。
主な使用用途は
太いペン:ラフ・色塗り用
細いペン:線画用
です。
長時間行う色塗り(線画した絵などに色を塗る作業)では疲れづらい太いペンを使用し、
細かい作業が必要な線画(ラフを元に迷い線などを無くして、綺麗な線だけの絵にする作業)では細いペンを使用しています。
ラフ(どんな絵を描こうか大まかにアイディア出しをする作業)は細かい作業をしないので太い方を使用しています。
アナログで色塗りまでやる場合
続いては絵の仕上げについてです。
まずはアナログから。
といっても執筆者の私がアナログ絵は経験数が少ないため、深いことは語れません。ご了承下さい。
まずアナログ仕上げのメリットとデメリットについて。
<メリット>
- 昔から存在する手法なので解説書などが豊富
- デジタルとは違い、道具を実際に使うので直感的
<デメリット>
- アニメ調の絵ではほぼ使用されないため、その手の解説書は少ない
- 道具代が高め
- 気軽に作業のやり直しが出来ない
どうしても執筆者がデジタル派なので、偏り気味の意見となってしまいました。
当サイトでは、アニメ調の絵の描き方を解説する予定なので、この記事の想定読者の方にとっては「アニメ調の絵に関する解説書が少ない」というのはデメリットに区分しました。
また、道具代についてはアナログの方が高くつきます。
これについては間違いありません。
数を描くほどデジタルのほうが安上がりになります。
デジタルは初期投資としてペンタブレットや、イラスト用ソフトなどにお金を使えば、それっきりです。しかし、アナログ絵の場合は絵の具代だったり、筆代だったり、漫画を描くならトーンだったり……なにかとお金がかかります。
最後に「気軽に作業のやり直しが出来ない」です。
これがアナログとデジタルの最大の違いだと思います。
もちろんアナログでもやり直しは可能ですが、失敗した作業を消したりするのに、かなり手間がかかります。
しかし、デジタルの場合は「戻る(Ctrlキー + Zキー)」1つです。
これだけで完璧に元通りになります。
デジタルで色塗りまでやる場合
次は比較対象のデジタル絵についてです。
まずはメリットとデメリットから。
<メリット>
- アニメ調の絵に関する書籍や講座が豊富
- アナログと比較すると道具代が安い
- 簡単に作業のやり直しが効く
- 意図した色そのままの色で塗れる
<デメリット>
- 実際に道具を使うのではなく、機械を通すため直感的ではない
- ソフトによって使い方が違うため、操作を覚えなくてはならない
「アニメ調の絵に関する書籍や講座が豊富」ですが、こちらはアナログ絵についての箇所で記載したとおり、アニメ調の絵はデジタルで描くのが主流なので、その手の解説も豊富です。
「アナログと比較すると道具代が安い」「簡単に作業のやり直しが効く」についても、上述のとおりなので省略します。
メリットの「意図した色そのままの色で塗れる」についてです。
文字通りの意味ですが、デジタルでは色をピンポイントで選びます。
RGB(Red,Green,Blue:デジタルで色を扱う際の三原色)の数値として選ぶこともできますすし、色相環から色を拾うことや、他の画像から色を拾うこともできます。
<FireAlpacaの色相環>
デメリットの「機械を通すため直感的ではない」ですが、これがデジタルの最大のデメリットとなります。
具体的には
- ペンタブレットは画面を見ながら手元を動かして操作する
- 液晶タブレットを使用してもペン先と若干ズレが存在する
- 手の動作から描画までタイムラグ(時間差)がある
などです。
まず「ペンタブレットは画面を見ながら手元を動かして操作する」ですが、こちらはやってみればすぐに分かります。アナログで紙に直接描く場合と違って、手元の移動量と画面の移動量が必ずしも一致しない事や、そもそも自分の手の動きが見れない状態で線を引く事が原因となって、最初は非常に苦戦すると思います。もちろんペンタブを使っていれば段々と慣れてくるので、諦めずに続けていれば紙に直接描くのと同じように使えるようになります。
次に「液晶タブレットを使用してもペン先と若干ズレが存在する」です。
液晶タブレットというのは画面に直接ペンを使用してお絵かきできる機械です。精度の高いタブレット(iPadなど)だと思っていただければ良いと思います。こちらはペンタブに比べて違和感は少ないのですが、画面の端にいくほどカーソルがペン先とずれる問題があります。さらに、液晶タブレットは非常に高価です。
たとえば業界最大手のワコム製だとこんな価格……
とても初心者にオススメできる金額ではありません。(こんなの買って絵を描かなくなったら勿体無い!)。なので液晶タブレットは、ある程度お絵かきできるようになってから検討する程度で良いと思います。
最後に「手の動作から描画までタイムラグ(時間差)がある」です。
こちらは人によっては感じないかもしれません。
私はペンを「シャッ、シャッ」と素早く動かすため、ペンタブや液タブ使用時にタイムラグを感じました。結果として、思い通りの線が引けなかったりするので地味にストレスです。対策はペンを気持ちゆっくりめに動かすしかないので、私同様にペンを素早く動かす方にとっては、デメリットとなるでしょう。
まとめ
またも思いのほか長い記事になりました。まとめると……
- まずは6Bなどの柔らかい鉛筆とコピー用紙を用意しよう
- ペンは太いほど疲れづらく、細いほど細かい作業に向いている
- アニメ調の絵を描きたい場合デジタル作業がオススメ
- 初心者はペンタブレットを使おう
というあたりでしょうか。最初は分からないことだらけですが、続けていくうちに出来ることが増えていくのは達成感があり楽しいです。お絵かきに興味があるなら、今日にでもコピー用紙を買ってきて始めてみましょう。
今回の記事はここで終了です。ここまで読んでいただきありがとうございました。次回は描いた絵は全て残しておこうです。また次回お会いしましょう。