凡人でも目標を達成できる! 努力継続のための5ステップ:「目標達成できないイメージ」も大事!?

こんにちは、社畜をしつつも週1ペースでイラスト連続投稿中の子猫2000です。お絵描き活動は「古江みみ」名義で活動していますので、よければフォローしてやってください。ちなみに、最近はブログも週1ペースにしようと企てています。

このブログの以前からの読者さんは私が多趣味な事をご存じかと思いますが、私は読書も好きで、小説はもちろんのこと、ビジネス書や自己啓発本なども読んだりするのですが、そういった本によく共通して書いてある「目標を達成したいなら、その目標を達成した時の良いイメージを詳細に紙などに書き出すと良い」的な内容があります。

ただ、私個人の経験からすると、この方法で長続きしたことがありませんでした。しかし、最近「目標が達成しなかった時の悪いイメージ」も詳細にイメージすることで、凡人である自分でも行動を継続できることに気づいたので、それについて書いてみます。

「目標を達成した時の自分を詳細に想像」すれば目標は達成される……?

冒頭でも書きましたが、よく自己啓発本などで「目標を達成した自分の姿を詳細に想像」すれば、そのための努力を継続的に行う事が出来て、目標が達成する、という事が書かれています。まずこれについて、私個人の経験から言うと結論は「NO」です。

理屈は説得力があるし、理解できるのですが、残念ながら理想だけで動くほど人間は良く出来ていません。実際この理論通りなら、全人類が絶え間なく努力し続けられることになり、結果として皆が皆それぞれの目標を達成できることになります。

しかし、現実を見てみればそんなことは無いのが事実であり、また、私も実際に本の内容などを何度も実践してみたことはありますが、いずれも長続きはしませんでした

「崇高な理想を掲げ、それに向かって努力し続ける」と聞くと美しい姿だと思いますが、思うにそれが出来るのはごく一部の限られた人だけではないかと思います。そういった方々は、この「目標を達成した自分の姿を詳細に想像」すれば、そのための努力を継続的に行う事が出来て、目標が達成する理論で上手くいくことでしょう。

しかし、私を含め世の中の大多数は凡人です。そして、凡人は同じ手法ではうまく行かないのです。

――なら、凡人は夢や目標を諦めるしかないのでしょうか?

答えは否です。

そもそも全人類一人として同じ人間はいないわけで、「脳の作り」がそもそも生まれた時点で違うということは皆さんご存じの通りかと思います。同じ経験をしても人によってそこから得る学びは違うし、抱く感情も全く違うことは今まで生きてきた中で感じていると思います。それは今まで生きてきた経験から来る差もありますが、そもそもの脳の作りが違う事も理由になっています。

「脳の作りが人によって違う」という例では、「相対性理論」で有名なアインシュタインの脳の話があります。

アインシュタインの脳は、音声や言語に関わる領域が小さく、数値や空間処理に関わる領域が大きいことが示唆されている。また、アインシュタインの脳では、グリア細胞の数が増加していることが指摘されている

wikipedia「アルベルト・アインシュタインの脳」より

つまり、諦めるのではなく「方法」を見直す必要があるわけです。

「一部の才能のある人達が上手くいく方法」で上手くいかないなら、「凡人が上手くいく方法」を考えましょう。

先にお断りしておきますが、これから紹介する方法は私の場合にうまく行った方法であり、これは全ての人が上手くいく方法ではありません。しかし、同様の内容を提唱している意見を見た事が無かったので、私と同じように「理想とする目標があるのに、それに向かって努力し続けられない事に悩んでいる凡人」だと自負する方のために記事にしました。そういった方々の一助になれば幸いです。

手順は全部で5ステップから成ります。私の実例を交えながら順番に紹介していきます。是非、ご自身に置き換えて具体的に考えてみてください。

手順1:その目標を達成した自分の姿を鮮明に想像し、紙などに書き出す

まずは自分が目標を達成した姿を鮮明に想像しましょう。

大事なのは鮮明に想像するという部分です。ただなんとなく想像するのではなく、具体的かつ詳細にイメージする必要があります。

例えば私の場合、「イラストレーターとして独立する」という目標があったとして、じゃあ具体的には生活費として月にいくら必要なのか、その金額を稼ぐには案件単価がいくらの仕事を何時間で終わらせないといけないのか、1年後、2年後、3年後と将来的にはどうなっていきたいのか、などなどお金に関することだけでも色々と考える必要があります。もちろん、これをお金だけでなく、税務処理や健康維持、仕事内容の方向性、リスク分散、などなど色々な方面で突き詰めていきます。

手順2:その目標を達成できなかった自分の姿を鮮明に想像し、紙などに書き出す

次に自分が目標を達成できなかった場合の姿を鮮明に想像しましょう。これは多くの本では語られていない手法ですが、この方法を考え付いた理由があります。

そもそも「目標」というのは、現在の自分が満たされていないから「目標」のはずで、今の自分が持っていないモノのはずです。つまり、「目標を達成する」というのは「今とは違う自分になる」とも言い換えられると思います。

しかし、人類が生物的に安定して生き残れるようになったのは、進化の歴史から見るとごく最近の出来事で、人類の脳には根強く生存本能が残っています。そして、その生存本能から基本的に「変化するより、変化しない事を望む」傾向があることが脳科学では通説となっています。(これらはホメオスタシスと呼ばれているようです)

恒常性(こうじょうせい)ないしはホメオスターシス(希: ὅμοιοστάσις、英: homeostasis)とは、生物において、その内部環境を一定の状態に保ちつづけようとする傾向のことである。

wikipedia 恒常性より

毎日食糧を探し、捕食者に怯えながら暮らしていた過去とは違い、今は短期的な欲望を我慢して長期的な結果を出すために行動する忍耐力が求められる時代であることは皆さんも肌で感じていると思います。

たとえば「ダイエット」という人類的に見て有名な目標がありますが、あれはきちんとカロリー計算をして生活すれば必ず達成できる「比較的達成しやすい目標」です。しかし、現実を見てみればどうでしょうか? ダイエットに失敗したなんて話は巷では常に耳に入ってきます。

そもそも「食べる事」は本能である一方、「食べない事」は理性で決断している内容なので、本能と理性がせめぎあった結果、「つい食べてしまった」という結果が起こるのです。ならば、自分の行動理由を本能に訴えかけるのが効果的ではないでしょうか?

そこで、「自分が目標を達成できなかった姿」を想像することが役に立ちます。これはいわば、理性で本能をコントロールする手法です。悪い行動を行った場合、将来的に自分が後悔することは皆さん認識されていると思いますが、それを本能にも理解させるのです。「自分が変化しなかった場合に起こる悪い事」を詳細にイメージして、自身の本能に危機感を覚えさせよう、という事です。

例えば先ほど例に挙げた「イラストレーターとして独立する」という話なら、「独立したは良いが、無計画に活動した結果、生活資金を稼げずに失敗する」だったり、「日ごろから健康維持の努力を怠った結果、仕事は順調だったのに体調を崩して長期入院になってしまう」だったり、自分が何かしなかったせいで起こる悪いイメージをします。

すると、脳はそれを「危険」だと感じて、回避するために働きます。これこそが「悪いイメージをする」ことの効能であり、目的です。

手順3:目標を達成するための方法を可能な限り細分化して、日々のタスクに落とし込む

手順1と手順2の未来の「良いイメージ」と「悪いイメージ」は詳細に想定できましたか? ここまで終われば一番難しい部分は終わったも同然です。あとは目標を達成するための具体的な方法に分解していき、それを実行するだけです。

野球の「大谷 翔平」選手はご存じでしょうか。彼は投手と打者の二刀流でプロ野球選手として活躍していますが、若いころから具体的な目標を立て、それを細分化したうえで日々のタスクに落とし込んでいたことで有名です。

「日本一になる」「日本人最速となる160kmを記録する」「ドラフトで菊池雄星を越える8球団から1位指名を受ける選手になる」ことを目標に掲げた

wikipedia大谷翔平より

彼に倣い、私たちも目標を達成する方法を細分化し、日々のタスクに落とし込みましょう。この際、「必ず期限をつける」事と、「自分の努力次第で実行可能な具体的内容まで落とし込む」事の2つが重要になってきます。

例えば先ほどの「イラストレーターとして独立する」という目標なら、まずいくつかの小目標に分解できます。

  • 引き続き画力向上し続ける
  • 実際に依頼を受けてみる
  • 自営業に必要な手続きや確定申告について調べる

などなど……挙げればキリが無いですが、本筋の話には関係ないので今回は割愛します。

そして挙げた小目標を更に具体的なタスクへと分解します。先ほど挙げた中だと特に「引き続き画力向上し続ける」なんかは特にふわっとしていて、何をするのかが曖昧です。何をするのか曖昧だと行動に落とし込めないので、まずはどうしたら「画力向上」になるのかを自分の中で定義した上で分解していきます。

  • 背景の苦手意識を克服する
  • キャラクターの顔をもっと可愛く描く
  • キャラクターの年齢差を描き分ける

などなど……こちらももっと詳細に挙げられますが、本筋の話には関係ないので割愛します。

では例えば「背景の苦手意識を克服する」を更に分解するとしましょう。

  • キャラと背景の合わせ方を学ぶために、書籍「キャラの背景描き方教室」で勉強する
  • 実際に自分の作品作りの中で積極的に背景を描いてみる
  • 背景のメイキングを調べて勉強する

ここまできて、やっと実際のアクションに近い部分まで落とし込めました。ここまできたら「よし、するべき行動がわかったぞ!」となってしまい、更に細分化することを怠りがちですが、もうひと頑張りしましょう。ここから更に細分化します。

例えば「キャラと背景の合わせ方を学ぶために、書籍「キャラの背景描き方教室」で勉強する」を更に細分化した場合は以下のようになります。

  • 全ての章を一通り読書する。
  • 書籍の解説を見ながら、実際に似た風景を自分の作品で描いてみる

やっと「自分の努力次第で実行可能な具体的内容まで落とし込む」事ができました。

そうしたら、今度は期限を設定しましょう。

例えば先ほどの書籍「キャラの背景描き方教室」なら、全8章から構成されていますので、「まずは1日1章読書して、8日間で読み切ろう」のように設定します。実際の読書スピードは読んでみないと分からなかったりしますので、あまりにも達成不可能な目標を最初に立ててしまった場合は、後から目標を見直すのも全然アリです。

このように「目標を分解⇒分解⇒分解⇒……」とひたすら分解していき、1日単位で実行可能な目標まで落とし込むことが理想です。

とはいえ、私も含め社会人の方は平日と休日で使用できる自由時間が違うというのは、よくある事でしょう。そういった場合は週間目標を立てておき、平日1日に行うタスクと、休日1日に行うタスクに分割することをお勧めします。

私は現在、社会人をしながら1週間に1枚のペースで絵を描き上げる事を継続中ですが、月曜~金曜の平日に、構図案作成~ラフ作成まで終わらせて、土曜に線画&着彩、日曜に余裕をもって仕上げ、というペースで作業をしています。

手順4:「やる気」に頼らず、「日課」に落とし込む

手順4は「やる気」に頼らず、「日課」に落とし込む事の重要性を説きます。

「やる気」に関しては過去記事「絵を描きたいのに、何も描けない時に試してほしい方法3選――やる気のメカニズムの最適解は?」でも記載していますので、興味のある方はご覧になってください。

「マシュマロ実験」という有名な実験があります。幼少期の忍耐力が大人になってからの成功度合いに影響するという興味深い実験ですが、今回スポットを当てたいのはそこではなく、「人間が目の前の誘惑に弱い」という事実です。

被験者である子どもは、気が散るようなものが何もない机と椅子だけの部屋に通され、椅子に座るよう言われる。机の上には皿があり、マシュマロが一個載っている。実験者は「私はちょっと用がある。それはキミにあげるけど、私が戻ってくるまで15分の間食べるのを我慢してたら、マシュマロをもうひとつあげる。私がいない間にそれを食べたら、ふたつ目はなしだよ」と言って部屋を出ていく。子どもたちの行動は、隠しカメラで記録された。(中略)最後まで我慢し通して2個目のマシュマロを手に入れた子どもは、1/3ほどであった

wikipediaマシュマロ実験より

一般的に忍耐力は成長と共に培われていくため、幼少期よりも大人の方が忍耐力に優れています。しかし、先述の「ダイエット失敗」の例が示す通り、大人の自制心というのも存外当てにならないものです。やはり「やる気」だけに頼ったやり方では不十分だと思います。

そこで先ほども話に上げた恒常性(ホメオスタシス)を利用しましょう。

目標へ向かう日々のタスクを「頑張って行うモノ」ではなく、「毎日やって当たり前のモノ」にしてしまうのです。

「そもそも簡単に習慣化できるならこんな記事読んでないよ」なんて声が聞こえてきそうですが、習慣化にもコツがあります。具体的には小さな習慣から開始することです。

例えばどんなに仕事が忙しい社会人でも「毎日1ページだけ読書する」という習慣なら難なく続けられそうではないでしょうか? 肝となるのはなるべく小さな目標を習慣化することです。目標を立てる時というのはやる気に溢れている場合が多いので、ついつい高い目標を立ててしまいがちですが、冷静に考えてください。

その習慣、自分の体調が悪い時でも続けられますか?

この観点を含めると自然と高すぎる目標は立てずに済むはずです。

そして、習慣化するには「頻度」が大事であるとする研究が、ビクトリア大学から出ており、週4回以上行う事が大事であるとされています。

 It was found that exercising for at least four bouts per week for 6 weeks was the minimum requirement to establish an exercise habit.

Exercise habit formation in new gym members: a longitudinal studyより

そのため、最初は大きなタスクを習慣化することより、小さくてもタスクを日々行う事を習慣化しましょう

手順5:目標達成への進捗や活動状況を、定期的に友人に報告する

最後の手順5は「目標達成への進捗や活動状況を、定期的に友人に報告する」ことです。

ちなみに先程話に挙げた週1ペースのイラスト投稿ですが、私は友人F氏に協力してもらって、毎週進捗状況を報告するようにしています。そのおかげもあり記事執筆時点で2カ月間継続する事を達成できています。

(イラストを描かない人はあまりイメージが湧かないと思うのですが、描かない人が想像しているよりも遥かに時間がかかる作業です。絵柄や描画対象にもよるのですが、私は毎週15時間~20時間ほどかけて作成しています。その時間を土日だけで行うとなると結構無茶なので、平日を含めて日ごろから作業する事が大事になってきます。)

この「目標達成への進捗や活動状況を、定期的に友人に報告する」ことも、実験によるデータがあります。ドミニカン大学カリフォルニア校のゲイル・マシューズの実験です。

実験では267人の参加者を5グループに分けて4週間以内に達成したい目標を立ててもらい、その達成度を評価してもらいました。5グループの内訳は以下の通りです。

  • 目標について考えるのみ
  • 目標を書き出す
  • 目標を書き出し、行動方針を決める
  • 目標を書き出し、行動方針を決め、友人に共有する
  • 目標を書き出し、行動方針を決め、友人と共有し、週ごとに友人に進捗を報告する

この実験では「目標について考えるのみ」のグループと、「目標を書き出し、行動方針を決め、友人と共有し、週ごとに友人に進捗を報告する」グループで、実に約1.8倍の成果が出ています

よく「目標を紙に書きだす」という手法は紹介されていますが、それと併せて「友人に進捗報告する」という手法も実行してみてはいかがでしょうか?

まとめ

最後に概要をもう一度おさらいしておきます。

  1. その目標を達成した自分の姿を鮮明に想像し、紙などに書き出す
  2. その目標を達成できなかった自分の姿を鮮明に想像し、紙などに書き出す
  3. 目標を達成するための方法を可能な限り細分化して、日々のタスクに落とし込む
  4. 「やる気」に頼らず、「日課」に落とし込む
  5. 目標達成への進捗や活動状況を、定期的に友人に報告する

「凡人が目標を達成する方法」はいかがだったでしょうか?

私は長年「やる気」に任せて行動しており、調子のいい時は問題ない一方で、「やる気」が付きた途端に行動できなくなってしまう自分自身を非常に苛立たしく思っていました。しかし、本を漁っても自分の解決策に繋がる方法がなかなか見つけられず、長い間思うように行動できないジレンマに苦しんでいました。

そんな時に、自身の性格や特性を改めて研究したことで、この方法に行きつきました。まだまだ活動を始めてから日が浅いですが、それでも自分史上過去最高に継続して目標への努力を続けられています。

そんな、私と同じような悩みを抱えている方に、この記事の方法が役に立てば幸いです。

このブログは雑記ブログなので色々書いているのですが、筆者の活動の主軸がイラストのため、イラストに関する話(イラストジャンルの記事一覧へ飛びます)を色々と書いています。コラムでは心理学や科学的実験などと絡めて、絵描きあるあるのお悩みについて考察していたりします。

最近ですと「AIの台頭により絵描きは廃業!? 今より更にAIによる作画技術が向上した近い将来について考えてみた」などが人気記事となっていますので、興味のある方はそちらも読んでみてください。

それでは、本日はこの辺で。