夏休みが近づいてテンションが高めになっています。子猫2000です。
前回は絵を描く際の鉛筆の使い方について紹介しました。持ち方を変えるだけで描きやすさが一気に変化することがあるので、是非試してみてください。
今回は「さぁ私も絵を描くぞ!」と意気込んではみたものの、右も左も分からない方に向けて、イラストの上達につながる練習方法について紹介します。
まずは模写
というわけで、具体的に練習方法の紹介をしていきます。まずは模写です。
「イラスト趣味は模写に始まり模写に終わる!!」
ごめんなさい、今作りました。
でも、そのくらい重要だということを伝えたいです。
模写というのは絵や写真などをお手本にして、お手本を観察しながら同じ絵を描くことです。似て異なるものに「トレス(もしくはトレース)」というものがありますが、こちらはお手本を紙の下に敷いて線をなぞるものです。トレスはペンを動かす訓練にはなりますが、観察力の訓練にはならないので、個人的にはトレスはオススメしません。
模写の方法は先述のとおり、お手本を真似することなので、画像さえ探してくれば自分の好きな絵柄だったりキャラクターだったりをお手本にできます。これが地味なようでモチベーションへの影響は大きいです。
また、当たり前といえば当たり前ですが、お手本があるので自力で絵を描くよりもササっと上手く描けます。これがまたモチベーションに良い影響を与えます。気軽に実行出来るので「あーちょっと絵描きたいなー」という時にも、ちょうど良いです。
そんなお手軽でモチベーション維持にも役立つ便利な模写ですが、行うことで下記のようなメリットが得られます。
- 観察力の上昇
- ペンを思い通りに動かす訓練になる
- イラスト特有のパーツ比率などが学べる
- イラスト特有の表現技法などが学べる
- 絵柄の研究になる
- モチベーション維持に役立つ
どうですか? 良い事尽くめですよね。
そんな模写ですが、お手本が無いと始められません。ですので、お手本の探し方についても紹介します。私は普段下記のような手段で模写する絵を探しています。
- アニメを一時停止してみる
- 好きなイラストレーターの画集を買う
- 手元にあった漫画を1ページ模写してみる
- ネットでキャラクター名などで検索してみる
- ネットでポーズ名などで検索してみる (例:「女の子座り」)
- Twitterでイラストを描いている人をフォローする
- PixivやTinamiなどイラストSNSで可愛い絵を探す
- イラスト講座などを探してみる (例:「手 描き方」)
個人的にはアニメの絵は特に初心者にオススメしたいです。
イラストなどは色塗りが凝っているので、情報量が多くなり脳が混乱する原因になってしまいます。その点アニメの絵は色塗りはシンプルでありながら、絵としては上手な物が多いので、練習のお手本としてはちょうど良いと思います。
お手本を見つけたら実際に模写を行っていくわけですが、下記事項を意識しつつ行うと良いです。
- 今描こうとしているパーツの、絵全体に対する比率はどのくらいか
- 描こうとしている箇所を直線や曲線など一筆書きで描ける最小限の単位に分割する
- 一筆書きで描ける最小単位まで分割できたら、その線の角度や長さはどのくらいか
- その線の長さは、パーツ全体に対してどの程度の比率か
- 他のパーツとの間の空間はどの程度か
実は、絵をグリッドで分割して模写する方法を使えば初心者でも簡単かつ上手に模写できますが、個人的にはあまりオススメしない方法です。なぜかというと、模写を行う目的が違うからです。
一旦立ち止まって考えて欲しいのですが、私たちは何のために模写をするのでしょうか?
……
絵の上達のためですよね?
では、「絵の上達」とは何でしょうか?
お手本を綺麗にそのまま写すことでしょうか?
練習方法を探しに来たあなたの理由は違うはずです。
自分の脳内にある妄想を綺麗な形で描きだす事が目的のはずです。
そのためにはグリッドを引いて、目の前の線だけに集中するのではなく、絵全体としてのバランスに意識を向けて模写をしてみてください。最初は難しいと思います、私も中々できませんでした。でも、繰り返し挑戦し続けるうちに、気づいたら全体のバランスを見ながら模写できるようになっています。
本当に初心者のころは無理でしょうが、少しお絵描きを続けて慣れてきたら、模写をするときに「アタリ」を描いて模写するようにしていってください。そうすることで、より元絵全体に意識が向き、観察力が鍛えられて、自分の中の引き出しに取り入れられる情報量も増えてきます。(今読んでいて「アタリ」が何か分からない方は一旦スルーしていただいて大丈夫です)
とにもかくにも、何か1つだけ絵の練習方法を伝えるとなったら私は「模写」を選びます。そのくらい基本的かつ重要なことが詰まった練習方法です。
とりあえずクロッキー
続いてはクロッキーです。
模写やデッサンは時間をかけてじっくり写すのに対して、クロッキーは短時間で写す点が大きな違いです。これは対象物を画像処理など芸術的活動を司る右脳で処理する訓練です。
クロッキーはネットで有名な30秒ドローイングで行うのが手軽で良いと思います。手元に紙と鉛筆を用意したら「CLICK TO START」を押すだけです。色々なポーズの人体模型が30秒間表示され、それを紙に写す、という練習方法です。正直言うと、私は未だに30秒で写せないです。コツは輪郭で形を捉える意識をすることだと思います。
追記:30秒ドローイングのサイトリンクを更新しました。
簡単に行える一方、ペンをとても動かすので、絵を描き始める前のウォーミングアップなどにも最適です。1日5分だけでもやってみると良いでしょう。
立体感を養いたくなったらデッサン
最後は上級者向けなデッサンです。
紙と鉛筆で立体感まで含めて対象物を写し取る練習です。
こちらはまずは単純な物体から始めるのが良いです。ただのボールだったり、ティッシュケースだったり……もちろん定番のリンゴも。最初は「白黒で模様と立体の両方を表現とか無理ゲー」となりますが、こちらも続けると段々上手くなります。
以前紹介した絵を描く際の鉛筆の使い方などが役に立つと思います。正直初心者向けではない練習方法だと思いますが、観察力や立体把握能力が劇的にあがります。ある程度お絵かきに慣れてきて、更に上達したい場合に選択肢に上がる練習法です。
自分でオリジナルを作る事も忘れずに
ここまで練習方法としてお手本を写す方法ばかり紹介していますが、それだけだとゼロから作品を作り上げる経験が増えません。上記の練習と合わせて自分で作品を作ることも行いましょう。
- 何を描くか考える
- 全体イメージを考える
- ラフ:大まかに絵を形取る
- 線画:不要な線を無くし、綺麗な線のみで再構成する
- 色塗り:線画をもとに着色する
という流れで作成作業を進めます。
最初は「全体イメージを考える」と言われても混乱するだけだと思うので、描くものを決めたら「ラフ→線画→色塗り」と進めましょう。初めの頃は思うような出来にならないかもしれませんが、途中で投げ出さずに是非最後まで描ききってください。最初の1本を描きあげることが出来たなら、次回以降もきっと最後まで描きあげられるでしょう。
まとめ
練習方法についてイメージはつきましたか?
イラストの上達を目指す場合、模写は切っても切れない関係にあります。最初は思い通りに描けないと思いますが、上達への近道ですので投げ出さずに続けてみてください。1年後には見違えるほど上手くなった自分が待っているはずです。
今回の内容は以上です。
ここまで読んでいただきありがとうございました。