4/25以来なので、ほぼ2か月ぶりですね。お久しぶりです、今年で108歳になりました(願望の中では)美少女エルフの子猫2000です。テレワークになって通勤時間が消えたのを喜んでいたのも束の間、プロジェクト炎上により最近まで死んだ魚の目になっていました。そんなつまらない仕事の話は置いておいて、今日は私の得意料理「ペペロンチーノ」のレシピを公開します。
ペペロンチーノは日本で言うところのお茶漬けのようなお手軽系料理ですので、手際よくやれば調理時間15分くらいですが、ハッキリ言ってお店で食べるより美味しい出来だと自負しています。簡単ですが非常に美味しいので是非一度作ってみてください。材料も一般的な物ばかりで簡単なので、料理初心者の方にもオススメのレシピです。
最初に宣言しますが……
料理は科学です、異論は認めません(キッパリ
分量や調理手順などは化学変化を起こすための手順です。しっかり守って調理してください、特に普段料理しない人ほど。
材料
まずは材料について必須の物から。分量は2人分として記載していきます。
材料(必須)
- パスタを茹でるための水 1L
- パスタを茹でるための塩 10g(≒10cc、小さじ2杯)
- 乾燥パスタ200~300g (1人あたり100~150g位が目安です)
- 鷹の爪1個 (赤唐辛子のこと)
- ニンニク1欠片
- オリーブオイルたっぷり(50cc以上)
- コショウ数振り分
ここまでがペペロンチーノとしての必要最低限の材料です。私のレシピでは更に美味しくするために、材料に以下を追加します。
材料(任意だけど、私的には必須)
- だし要素(私がよく使うのはコンソメ1欠片)
- ベーコン1パック
- バター5g
- 野菜(私が良く使うのはキャベツ数枚)
私がよく使用しているコンソメはコレです。一人暮らしとかでなければ、各ご家庭にあると思います。別にコレじゃなくてもいいんです。チキンコンソメだっていいし、だしパックを1袋入れるんでも問題ないです。さすがに、”だし”だと和風っぽさが少し出ますが、美味しいことには変わりないです。
匂いと塩分濃度が美味しさに影響する
持論ですが、料理のおいしさを決定するのは匂いと塩分濃度が特に重要だと考えています。匂いや塩分濃度が味覚に影響する事実は既に先人の研究によって立証もされています。
人間が食事する際に鼻の中の嗅上皮(きゅうじょうひ)という部分で食べ物の匂いが認識されます。この部分が他の動物に比べて発達しているので人間はグルメだと言われるほど、匂いは味覚に多大なる影響を与えているのです。
また塩分濃度も重要です。塩は人体にとって必須の栄養ですが、取りすぎも毒になる厄介な成分です。人間の塩分濃度は体内の水分量からして0.8~0.9%ほどと言われています。ここからあまりにも離れた塩分の摂取は体にとって良くないわけで、当然味覚もそのように進化を遂げています。人間が美味しいと感じる塩分濃度は0.8~1.1%ほどだそうです。私たちの舌は非常に敏感に塩分濃度を細かく感じ取っているようです。
料理を行う際はこの2点を意識しておくと、大幅に失敗することは起こらないでしょう。まぁ、レシピがあるならそれを読むのが一番ですが……
作り方
御託は置いておいて、実際に作っていきましょう。
- 野菜(今回はキャベツ)を食べやすい大きさに千切って別皿に入れておきます。
- ニンニクを薄切りにスライスし、フライパンに入れます。
- ベーコンを食べやすい大きさにスライスし、フライパンに入れます。
- 鷹の爪(唐辛子)を小さく千切ってフライパンに入れます。この際、辛党の方は唐辛子の種も一緒にフライパンに入れましょう。
- フライパンにオリーブオイルを入れたら、かなり弱火で炒めます。ギリギリ火が消えるか消えないか位の弱火です。時々フライパンを揺すったり、菜箸でかき混ぜるなどしてください。
- フライパンの過熱と並行して、鍋に水1Lと、塩10g、だし要素(今回はコンソメ1欠片)を入れ強火で沸騰するまで加熱します。
- 鍋の水が沸騰したら乾燥パスタを入れ、パッケージ表記時間より1分少なく煮ます。パスタ投入直後は水の中に入れていない部分が焦げ付きやすいので、菜箸などで出来るだけ早く水の中に入るようにしてください。
- フライパンのニンニクがキツネ色に変わってきたらバターを入れてかき混ぜます。
- バターが溶けきったら、パスタを茹でている鍋からゆで汁を掬ってきてフライパンに入れます。分量は「人数×50cc」です。今回は2人分なので100cc投入してください。
- ゆで汁投入直後にフライパンを可能な限り強火にし、激しく沸騰し続ける状態にしてください。併せて、軽く菜箸で混ぜても良いです。
- そのまま1分ほどフライパンを沸騰させ続けたら、別皿に用意しておいた野菜(今回はキャベツ)をフライパンに投入し、菜箸で混ぜながら加熱を続けます。
- パスタが茹で上がったらフライパンにパスタを移し、菜箸で混ぜながら強火で加熱します。麺にソースが絡むように混ぜましょう。
- そのまま1分ほど加熱したら火を止め、お皿に移します。
- 最後にコショウを数振りかけて完成です。
重要ポイント解説
それでは美味しさのために重要な箇所を解説していきます。
オリーブオイルは沢山使うべし
このレシピは私が数年間改良し続けてきた物ですが、ハッキリ言って世の中のレシピのオリーブオイル量は少なすぎます。私のレシピでは世の中のレシピの数倍程度オリーブオイルを使用していると思いますが、これが非常に重要です。オイル系パスタのペペロンチーノは、油溶性の唐辛子の辛み成分やニンニクの旨味成分をオリーブオイルに抽出することで美味しさを出しています。オリーブオイル大事!!
オリーブオイルへの旨味抽出は必ず弱火で
オリーブオイルに唐辛子やニンニクから旨味抽出をすることが大事なことは先述の通りですが、それは弱火で行う必要があります。なぜならニンニクが焦げると苦く(≒不味く)なるからです。ニンニクが、きつね色を過ぎてこげ茶色になってくると危険なサインです。加熱しすぎにはくれぐれも注意してください。これらはメイラード反応という現象ですが、こちらの記事が非常に詳しく分かりやすく解説してくださっているので、お暇でしたら是非読んでみてください。(外部サイトへ飛びます。)
パスタのゆで汁
これも世の中のレシピより私のレシピの方が多い部分ですが、パスタのゆで汁の塩分濃度は約1%にしています。今度は浸透圧が関係してきます。これにより茹で上がるパスタも丁度いい塩加減になります。また、だし要素(今回はコンソメ)を加えることで香りがプラスされ、味の奥深さにも一役買っています。
パスタのゆで時間は表記より1分短く
これは、いわゆるアルデンテですね。表記のゆで時間より1分短く茹でたあとフライパンのソースと一緒に1分加熱することで、麺とソースが非常によく絡みます。せっかく美味しいソースを作っても麺に絡まなければ味気なくなってしまいますので、この工程も非常に重要です。ソースにゆで汁を加えて麺との塩分濃度を近づけているのも、ソースと麺がよく絡むように意識している点です。また、麺が程よい硬さとなることで食べる際にしっかり咀嚼してもらえるようになる(≒嗅上皮に匂いがしっかり届く)という点も重要です。
バター、肉、野菜
これらは食材、香りづけの意味以外にも重要な意味があります。うまみ成分にはグルタミン酸やイノシン酸など色々な種類がありますが、これは大きく肉類と野菜類に分けられます。それぞれ単体でももちろん美味しいのですが、両方の旨味成分が組み合わさることで相乗効果が起こり、更に美味しさが増すのです。
また、オイル系パスタ作成において最も重要と言っても過言ではない「乳化」という現象があります。これは本来溶けあわない水と油が溶けあう現象ですが、皆さんご存じの通り水と油では混ぜても溶け合いません。しかし、界面活性剤のような物質があれば両者は溶けあうのです。その重要な役割を担うのがタンパク質、今回はバターです。もちろんベーコン単体でも乳化は可能ですが、バターを加える事で更に一歩上を行く乳化が引き起こせます。十分な乳化により口の中でソースに閉じ込めた香りが弾け、美味しさに繋がります。
ゆで汁投入直後に強火で加熱
これも先述の「乳化」に大事な調理工程です。大事な事なので何度も書きますが、オイル系パスタにおいて「乳化」は非常に重要です、これで味の半分が決まると言っても過言ではありません。本来ならフライパンを激しく揺するのが一般的なのですが、ゆで汁投入直前までにフライパンの温度が十分上がっていれば、強火で沸騰させることで代用が可能です。菜箸で混ぜながらだと、なお良しです。
アレンジ例
今回はちょうど長野県の農家さんから直売・直送で夏野菜が届いたので、夏野菜を前面に出して作ってみました。注意点としては2点ありますが、基本的には上記のレシピと同じです。
- 野菜を入れるのは乳化が完了した後にする。もしくは乳化を行う際のみ別皿などに取り出しておく。こうしておくことで乳化がスムーズになります。
- トマトは最後の最後に入れる。トマトを入れて長時間加熱してしまうと、溶けてしまって、オイル系パスタではなくトマト系パスタになってしまいます(笑)
ペペロンチーノはオイル系パスタの原点なので、ニンニクと唐辛子さえ入っていれば他の具材は縛りがありません。シンプルなので素材の味と作り手の腕が活きる料理です。冷蔵庫に入っている野菜や肉など自由に組み合わせて料理できるメニューなので、残り物処理などにも一役買ってくれることでしょう。
あとがき
ペペロンチーノは私が学生時代に作り始めた思い出深い料理でもあります。ニンニクを生ではなく、乾燥ニンニクにすれば必須素材がほぼ全て日持ちする物になり、かつ値段も安いので貧乏学生にはピッタリの料理でした(笑)
初めて作った時はネット上でレシピを幾つか調べて作ったのですが、昔から味にうるさいタイプだったこともあり、味に満足できず試行錯誤しながら1か月ほど毎日ペペロンチーノを作り続けた記憶があります。その当時たどり着いた隠し味が「焦がし醤油」です。今回の記事には書いていませんが、醤油は日本が生み出したマジックソースとでも言うべき凄い調味料です。これ1つで塩分濃度、だし要素、を両方カバーする凄い奴です。
今回紹介したのは基本的なペペロンチーノですが、これはオイル系パスタの原点です。つまり、これをベースに色々なアレンジが可能ということでもあります。実際、何パターンか私の中でアレンジレシピがあるのですが、それはまたの機会にでもご紹介しようと思います。
それでは今回はこの辺で。