実質的にあなたの寿命を延ばす効率的学習法3選と、学習効率を高めるポイント3選

こんにちは、つい昨日イラスト投稿SNSであるPixivのデイリーランキング8位に入って小躍りしている子猫2000です。絵描きとしては古江みみ名義で活動しております。可愛い女の子を描いているので、気が向いたら見てやってください。

さて、現在はフリーで活動している身なので日頃から技術勉強には余念がない私ですが、金髪碧眼美少女エルフを名乗っている身としては、人間の体の寿命は非常に短く感じます。やはり寿命は長くしたいです!

健康な体を意識して日頃から運動や食生活に気を付けるのも大事なことですが、それでも人間の体の寿命は短く感じます。それならば、単位時間あたりの効率を高める事で、実質的に寿命を延ばそう! という試みについて、今日はご紹介します。

普通に勉強したら10年かかるところを1年に短縮できたなら、実質的に9年寿命が延びたも同然、という理論を、脳科学や実験で判明している効果的な学習方法で実践しましょう。

まず結論から

人間の脳の仕組みに根差した効果的な学習方法は以下の3つ。

  • 感情に紐づけて学ぶ
  • より多くの五感を巻き込んで学ぶ
  • 学んだ内容を応用して実行に移す

また、学習時に意識して焦点を当てるべきポイントは以下の3つ。

  • 区別
  • スキル
  • 参考材料

それでは、これらの内容について深掘りしていきましょう。

人間はそもそも忘れやすい

突然ですが、あなたは1週間前の今日の活動内容をどの程度詳細に思い出せるでしょうか?

朝は何時何分に起きましたか?

どんな夢を見ましたか?

朝食は何を食べましたか?

その時見ていたテレビの内容は?

大多数の人は恐らくほぼ思い出せない事でしょう。なぜなら、それらの記憶は覚えておかなくても問題の無いものとして脳が判断を下し、記憶が定着しなかったからです。

人間は以下5種類の感覚器から入ってきた情報を脳で処理していると考えられています。

  1. 視覚
  2. 聴覚
  3. 触覚
  4. 嗅覚
  5. 味覚

その中でも特に「視覚」「聴覚」「触覚」を脳は重要な情報として捉えやすいようです。

これら感覚器から入ってきた情報は脳の奥深くにある「海馬」という部位で一時的に記憶されます。これはパソコン部品に例えるなら「メモリー」です。この「海馬」で一時保存された内容は「短期記憶」と呼ばれ、数秒から1分ほどの非常に短い時間しか記憶できません。

「海馬」で一時保存された内容のほとんどはそのまま消え去ってしまいますが、繰り返し思い浮かべたり、口に出したりすることによって、脳が重要な情報と判断し「大脳皮質」へと送られます。「大脳皮質」はパソコン部品に例えるなら「ハードディスク」です。「大脳皮質」に送られた情報は数分から年単位に及ぶ「長期記憶」となります。

「長期記憶」は更に「陳述記憶」と「手続き記憶」に分けられます。

陳述記憶」とは海馬を使い、言葉やイメージで表すことのできる記憶で、学習による意味記憶(知識に関する物)と、体験によるエピソード記憶(主観的な思い出)を指します。

手続き記憶」とは大脳基底核と小脳を使い、動作や技能の記憶を指します。例えばピアノの演奏や、自転車の乗り方などの記憶の事で、こちらは記憶障害になっても失われにくいと考えられています。

長々と眠くなる講義が続きましたが、人間の脳の仕組みの紹介は以上です。続いて、それを踏まえた効果的な学習方法について見ていきましょう。

感情に紐づけて学ぶ

今から突然無意味なアルファベットの羅列を列挙したとして、あなたはそれをどの程度の期間覚えていられるでしょうか?

大多数の人は2日も経てば80%近くの内容を忘れてしまう事でしょう。なぜなら、その記憶には意味がなく、感情が伴っていないからです。

では、あなたが過去に初めてキスした時の事は覚えていますか?

こちらは思い出せる人が多い事でしょう。なぜなら、その記憶には膨大な感情の動きが伴っているからです。

私たちの体験に照らし合わせてみると分かる通り、人間の脳は感情を伴う場合により強く記憶が定着する傾向があるようです。学習の際にもこれを活かせれば、より簡単に記憶することができるでしょう。

例えば、ただ年号と出来事を列挙するだけの歴史の勉強は頭に入ってきづらいですが、マンガなどでその時代にどんな人がどんな思惑をもって行動し、それがどう影響したのか? という学び方をした場合は、より強く記憶できます。

また、「こんなの勉強しても意味ないよ」と思いながら嫌々勉強した内容よりも、「ここから学んだ内容を活かして、私は●●をするんだ」という強い意思を持って勉強した内容の方が、より強く記憶できます。

是非、勉強する際には感情の動きを伴って学んでいきましょう。

より多くの五感を巻き込んで学ぶ

先述の通り、脳は五感と深く結びついているため、1種類の感覚器を使って学ぶよりも、複数の感覚器を使って学んだ方が、より記憶が定着しやすくなります。この際、五感の中でも特に「視覚」「聴覚」「触覚」の3つの感覚器が重要な意味を持ちますので、意識してみてください。

例えば英語の勉強をするなら、ただノートに筆記練習するだけより、実際に音読してみたり、ネイティブの発音を聞いてみたり、等いろいろな感覚器を使うことでより効果的に勉強できます。私が高校生の頃、某予備校の有名な英語の先生が「英語を学ぶなら音読」という趣旨の発言を繰り返し主張していたのですが、音読は「視覚」「聴覚」「触覚」の全てを使う行動なので、確かに理に適った練習法でしょう。

学んだ内容を応用して実行に移す

効率的な学習方法3つの中でも最重要なのが「学んだ内容を応用して実行に移す」事です。

百聞は一見に如かずと言いますが、実際に学んだ内容を自分のスキルとして活用することで、それまでよりも遥かに多くの事が学べます

例えばあなたがギターを弾きたいと思ったら、本を完璧にインプットしたとしても、実際にギターを弾く訓練をしなければ思うようには弾けません。

アウトプットを行う事で、情報の再整理が行われ、脳内では記憶の関連付けが行われます。アウトプットの方法は実際に自分がやってみる事もそうですし、学んだ内容を他人に教えるという方法も有効です。なんなら、この記事を書いている動機の半分は私の勉強のためです。

私たちの脳は48時間経過すると80%を忘却してしまう一方で、48時間以内に他人に教える事で80%の内容を覚えていられるように変わるそうです。その差は実に4倍です。友人や家族と積極的に学んだ内容を教え合いましょう。

「区別」:「違いをもたらす違い」を探そう

IT業界でタブー視される「車輪の再発明」という概念をご存じでしょうか?

「既に先人が優れたものを作っているのに、それを使わずに自力で(大抵の場合は劣化版を)再発明してしまう事」を揶揄している言葉です。

私は8年間IT業界にいましたが、IT業界では「効率」が重要視される風土があります。「同じ成果物なら、より短時間、より低コスト、で作れる方が良い」という基本的な考え方です。「努力至上主義」ではなく「結果至上主義」的な考え方が根底にあるのです。

先に述べた「車輪の再発明」は多くの初心者が通る道であり、恥ずかしながら私自身も何度か経験しました。なぜこんなことが起きてしまうのか、私なりに考えたところでは以下のような理由があります。

  • そもそも「発明」は楽しいから
  • 単純に先人の発明を知らないから
  • 先人の発明を調べようとしないから

そして、今回の記事の趣旨は「10年かかる勉強を1年に(もしくはさらに短く)短縮しよう」という物です。

――察しの良い読者の方はもうお気づきでしょう。

効率よく学習するなら「多くの人が行っている方法」を盲目的に行うのではなく、「成功している人が行っている方法」と「失敗している人が行っている方法」の分析をしましょう。その道の達人を1人絞って分析し、「違いをもたらす違い」を発見することが勉強の近道になります。

私は20歳になってから絵を描き始めて、書籍も買わず、目標も1つに絞らず、ただひたすらに8年間ほど絵の勉強・練習をしていました。元が非常に低レベルだったので、最初こそ劇的に成長しましたが、正直実力面で伸び悩んでいた時期が長かったです。ここ1年ちょっとが劇的に上達した時期だと感じていますし、SNSなどでの他者評価も比例して増えたので、上達ペースの実感としては間違っていないと思います。

では劇的に上達するようになったきっかけは何だったのか? と問われると、「先人に学ぶよう変化した」事がきっかけだったと確信を持って答えます。

それまでは独学で9割以上の誤ちを繰り返しつつ正解を手探りしながら勉強していましたが、その勉強方法をやめました。代わりに、技術書から勉強した内容を「仮の正解」とした上で、比較検討しつつ正解を探るような勉強法に変えました。

また、絵という世界は「デッサン」のような揺るがない技術レベルもある一方で、「絵柄」という人によって評価の分かれる技術軸もあります。この絵柄の勉強のために、それまでは毎回バラバラの絵描きを参考にしていたところを、ただ一人の絵描きに目標を絞りました。これによって「Aさんはこう表現しているけど、Bさんは全然逆の表現をしている」と迷う事が無くなり、よりシンプルに自身の成長を評価できるようになりました。

人間の技術や知識は日々アップデートされています。

例えば、マンガを描く際には「コマ割り」が非常に重要なのですが、マンガが出始めの頃はコマ割りの技術はまだ醸成されておらず、最近のマンガに比べるとシンプルなコマ割りが多いです。

例えば、囲碁や将棋などでは「定石」と呼ばれる打ち方が存在しますが、これにもまた新旧が存在します。長年の研究により、より効果的な打ち方が生み出されているからです。

極端な話ですが、何も学ばずに絵を描くなら、それは壁画時代に自分だけ逆戻りして絵を始めるような物です。まずは偉大な先人の技術や知識を真似するところから始めましょう。それこそが学習や上達における最大の近道です。

「スキル」:自身の一部になるまで反復しよう

ここまでは主に「知識」面での学習について紹介してきましたが、その道のプロとなるためには「スキル」も重要であることを明記しておきましょう。ここで言う「スキル」とは、知識を実際に思い通りに実行する能力の事を指します。

たとえ世界一のシェフが作ったレシピがあっても、包丁をまともに使えなかったり、火加減の調整が出来なかったりすれば、そのレシピは途端に価値を落とします。

泳ぎ方を解説した本をマスターしても、実際に泳ぐ訓練をしなければ自身のスキルにはなりません。スキル獲得のためには「心象化、イメージトレーニング」と「反復」が重要となります。

世界的なスポーツ選手が皆イメージトレーニングを活用しているのは皆さんご存じの通りですし、それだけでなく膨大な量の練習を重ねている事もまた事実です。「知識」はただ詰め込んだだけでは意味をなさず、実際に使ってこそ(使えるようになってこそ)意味を持ちます。

そして、そのためには基礎を飽きずに反復することが重要です。

例えば、勉強の得意な人は1冊の参考書を何回も繰り返し勉強する一方で、勉強の苦手な人は複数冊の参考書をどれも1回だけしか読みません。

例えば、プロのスポーツ選手は毎日欠かさずトレーニングしますが、趣味でやっている人は気分に応じてトレーニングします。

違いが見えてきましたね?

「参考材料」:自分事に置き換えて分析しよう

ここまで先人に学ぶことの重要性を語ってきましたが、一見すると正反対のように見える事を言います。

他人の成功体験をトレースしてもうまく行かない(事の方が圧倒的に多い)です。

冷静になって過去の経験や記憶を振り返って欲しいのですが……

  • 億万長者の話を聞いて億万長者になった人はどれだけいましたか?
  • ナンパが非常に上手い人の話を聞いて実際に上手くいった人はどれだけいましたか? 
  • プロスポーツ選手の話を聞いて実際にプロ選手になった人はどれだけいましたか?

もうお分かりだとは思いますが、他人の成功体験をそのままなぞるだけではうまく行きません。なぜなら、そこで語られる内容には因果関係が薄く、後付けの理由が多かったりするからです。一方で失敗体験は再現性が高いので、むしろ失敗体験ほど重要な話だったりしますが、話題が逸れるので別の機会に……

なぜ他人の成功体験をトレースしてもうまく行かないのか?

それはあなたがあなた自身だからです。

2023年現在、世界には約80億人の人間がいると言われていますが、誰一人として同じ人間はいません。遺伝子的に同じはずの一卵性双生児ですらそれぞれを取り巻く環境や性格、能力面で差があります

なので、その道のプロを志すなら、与えられた情報を鵜呑みにするだけでは不足しており、その情報を深く分析し、構成する要素に分解して、更にその要素から自身に当てはまるもの、応用できるものを絞り込んだうえで学習・実行する必要があります。

例えば絵描き民によくありがちな願望として「イラストをSNSでもっと伸ばしたい。もっとたくさん見て欲しい」という物があります。これを例に考えてみましょう。

これまで紹介してきた内容を踏まえると、まずは「実際に伸びているイラストの分析」と「伸びていないイラストの分析」から始めるのが良いでしょう。複数件調べて、構成要素に分解したとします。(実際に分析する際は更に細かく行うのですが、説明のためここでは簡易的な要素に分解します)

伸びているイラストを分析した結果、以下のような要素が抽出できたとします。

  • 投稿時間がゴールデンタイムだった
  • イラストが非常に上手かった

一方で伸びていないイラストを分析した結果、以下のような要素が抽出できました。

  • 投稿時間が早朝だった
  • イラストは非常に上手かった

この時、分析を行ったAさんは既にゴールデンタイムに投稿していました。なので、構成要素との差異は「イラストの技術面」だと感じ、猛勉強をしてイラストが上手くなりました。

技術向上の甲斐あって以前より反応は増えましたが、思うようには伸びません。そこで再度伸びているイラストの分析を行ってみたところ、以下のような要素が新たに抽出できました。

  • 投稿時間がゴールデンタイムだった
  • イラストが非常に上手かった
  • 絵の題材が二次創作だった

この時点でAさんは以下の要素を持っていました。

  • 投稿時間がゴールデンタイムだった
  • イラストが非常に上手かった
  • 絵の題材が二次創作だった

この場合、Aさんは必要な要素を全て持っているように感じますが、この場合は要素の列挙が不足している可能性が高いです。例えば、1件1件の投稿のみを見ているせいで、伸びているイラストの作者は「一貫して同じジャンルの二次創作イラストを描いている」のに、Aさんは「毎回違うジャンルの二次創作イラストを描いている」のかもしれません。

このように自分を取り巻く環境や状況、能力面を比較検討したうえで、必要な要素を分析していきましょう。ここでは絵の投稿内容のみに絞って例を挙げましたが、Aさんが伸びない理由はそれ以外の部分(例えば絵は関係なく、普段の言動に問題があった等)にある可能性もありえます。可能な限り柔軟で広い視野を持って分析しましょう

まとめ

最初に述べましたが、改めて結論です。

人間の脳の仕組みに根差した効果的な学習方法は以下の3つ。

  • 感情に紐づけて学ぶ
  • より多くの五感を巻き込んで学ぶ
  • 学んだ内容を応用して実行に移す

また、学習時に意識して焦点を当てるべきポイントは以下の3つ。

  • 区別
  • スキル
  • 参考材料

最後に2つ質問です。

  • あなたがこの勉強法を使って習得したいスキルは何ですか?
  • そのためには具体的にどんな先人の知恵を活かせますか?

参考

記憶は脳でつくられる 記憶の3ステップ
https://monowasure.eisai.jp/mechanism/index.html

エビングハウスの忘却曲線とは 最適な復習タイミングと注意点を解説
https://smbiz.asahi.com/article/14828411

世界では虹は7色ではない?!
https://www.a-ibs.com/rainbow-color-in-world/

「車輪の再発明」とは?ITエンジニアに便利な「車輪」と「再発明」すべきシーン
https://x-tech.pasona.co.jp/media/detail.html?p=9093

書籍:成功の9ステップ