こんにちは、世間は3連休ですが会社員じゃないのでその恩恵に与れない子猫2000です。みんなが休んでいる間にも活動することで圧倒的成長! 僕はそんなところに幸せを感じるんだ……(強がり
前回に引き続き1年間X(旧twitter)を運用した結果について見ていきましょう。前回は実データをただそのまま紹介しましたが、後編となる今回はそれらを踏まえての私なりの考察を交えていきます。まだ前回の記事を読んでいないという方は「【前編】新規アカウントで、週1ペースのイラスト投稿を1年間続けてみた結果の報告」からどうぞ。
ではでは、今回もまったり見ていきましょう。
一次創作? 二次創作? 大手ジャンル? マイナージャンル?
まずはアカウント運用の前提条件から見ていきましょう。
今回1年間twitterを運用するにあたって私の場合は「原神(大手ゲームジャンル二次創作)」に絞って投稿を行いましたが、この部分は人それぞれ選択の幅が生まれる部分だと思います。私なりの考え方を紹介しますので、ご自身の運用方針にあてはめて一度考えてみてください。
まず一番重要なのは「何のためにSNS運用するのか」という目的の部分です。知名度を上げたいのか、単純に絵を見て欲しいだけなのか、自分なりのこだわりが何かあるのか、などなど色々な条件がありますので、まずは自分がSNS運用をする目的を3つ程度に絞ってください。更にそれぞれに優先順位をつけて、相反する内容であれば優先順位が低い物は諦める覚悟も出来ると、運用面ではなお良いです。
ちなみに私の今回の目的は
- 絵の上達のきっかけとすること
- 知名度を上げるため
- ブログのネタにするため
の3つでした。
「絵の上達」と言う部分については人によって解釈が分かれる部分なので、より詳細に述べると「大勢の人により可愛いと思ってもらえる絵を描くようになる」事が今回の「上達」の意味合いでした。
この目的から自然と「多くの人に見てもらえる可能性が高い大手ジャンルの二次創作のイラストにしよう」という部分が決まり、「じゃあ、具体的に何を描こうか?」となった時に、自身の趣味嗜好と世間の人気が被る部分にちょうど「原神(大手ゲームジャンル)」があったので、そのジャンルのイラストに絞って1年間絵を描こうと決めました。
こういった運用をする場合に意識しないといけないのは、「その活動によって集まったフォロワーの人たちは、そのジャンルの内容が好きなだけ」という部分です。例えば「人気ジャンルのイラストのみを描いてフォロワー数1万人」と「1次創作のイラストのみを描いてフォロワー数1000人」の2パターンあった場合、数字だけを見ると「人気ジャンルを描いた」方が凄そうに見えますが、作者本人への本当の意味での”ファン”がついているのは「1次創作を描いた」方だったりします。これはフォロワー数を数万~数十万抱えている絵描き民が何かの拍子に「今までと全く違うジャンル」の絵を描いた時に「全然伸びない」という現象として現れている事から確認できます。
なので最終的に自分がどんな目的でSNSを運用しているのか? という部分が大事になってくるのです。これだけだと、これからSNS運用する方向けには情報不足なので具体例をすこし挙げますと……
- 多くの人に絵を見て欲しい⇒大手ジャンルの二次創作をする
- 少ない人でもいいから熱い反応が欲しい⇒マイナージャンルの二次創作をする
- 人数にはこだわらないから私の創作を見て欲しい⇒1次創作をする
- 絵で仕事をしたい⇒求める仕事の内容に応じた作例や実績公開をする
などなどが考えられます。ここで挙げた例はかなりざっくりしていますので、実際に運用する際は更に深掘りして、ご自身の状況に応じた運用をしていくと良いと思います。例えば「ミュージックビデオの仕事をしたい」と思っている人が「ひたすら1枚絵の練習をする」よりは、「絵の練習をしつつ、動画編集も学んで、実際に作った動画作品を投稿する」方が効果的なように。
フォロワー数ってどうやったら増えるの?
「良い絵を描けば伸びるのか?」問題ですが、結論としては「それだけじゃ伸びない」だと思います。
残酷な事を言うようですが、昔に比べて「絵が上手い」のハードルは遥かに引きあがっていて、ちょっとやそっと上手い程度じゃ他と差別化できない時代になっています。とはいえ、「絵の上手さ」だけで伸びるのが完全に無理かというと、そうとも言えないのですが、ここ1年間twitterを観察してきて感じたところとしては、「第一線で活躍するイラストレーター並に上手ければ伸びる(……かも)」というところです。これだけの技術力があっても100%とは言い切れないのが事実です。(実際にそういう方を見ています)
これからSNS運用を始めようという方や、いま伸び悩んでいるという方が「アカウント開設から、ただ何も考えずに絵を描いたら伸びる可能性」は限りなくゼロに近いです。これは絵の技術力の問題だけではなく、X(旧Twitter)の仕様的な部分も関係しています。なぜなら、「他人に反応されていないツイートは価値が無い(薄い)」と自動で判断されてしまうからです。そう判断されたツイートは、そもそも他人の目に全く触れないのです。
「じゃあ、新規参入した人ほど不利じゃないか!?」と思うかもしれませんが、その通りです。X(旧twitter)がそういう仕組みで出来ているので、この部分に関してはもう仕方ありません。なので、その仕組みを意識した行動が必要になってきます。ここで使うのが横の繋がりです。
そもそもSNSは人と人の交流を目的としているサービスなので、ただひたすら「壁打ち」しているユーザーは、システムによってスコアが低く見積もられてしまいます。スコアが低いユーザーのツイートは他人に表示されずらくなり、更にみられないという悪循環になってしまいます。(※既にフォロワー数が沢山いる場合は話が変わってきますが、フォロワー数が少ない状態での壁打ちはNG行為です)
なので、SNSを開設したらまずは横の繋がりを作りましょう。具体的にはX(旧twitter)ならば、ハッシュタグを使ってお互いに興味のある絵描き民同士で繋がったり、自分の絵に興味のある読者と繋がったりする事が(最初ほど特に)大事です。私の体感的なところを話すと、「100~200人」くらいは最低でも必要かなと言う感じがします。実際は、濃密なコミュニケーションが取れる相手が複数人いれば、そこまで沢山じゃなくてもいいのですが、出会った人みんなと仲良くなれるかと言うとそうでも無いのが人間ですし、多くの人と接触しつつ自然と自分と仲のいい相手が出来てくる位で問題ないと思います。(まだ自分は到達していないので、データとして実際に出せないのですが、多くの方のtwitterを分析してみたところ、フォロワー数1000人くらいが最初の壁かな? と感じています。まずはそこを目指しましょう。)
あとは大前提ですがちゃんと「絵を描きましょう」。交流に力を入れるのも良いですが、「絵描き」としてSNS運用するのであれば、一番大事なのは「作品を投稿する事」であるのは間違いないです。
また、メディア欄は必ず絵で埋めておきましょう。ここにゲームのスクショなんかが沢山あるのは(SNS運用としては)良くないです。新規フォロワーになる時、「TL(タイムライン)でツイートを見かける ⇒ その人のプロフィール欄に飛ぶ ⇒ メディア欄を確認する ⇒ フォローする」という動きを多くの人が辿ります。この時メディア欄がゲームのスクショで埋まっていると「絵描き」として認識されない可能性が高まります。「フォローする≠あなた自身に興味がある」であり、「フォローする≒あなたの絵に興味がある」であることを忘れずにいましょう。
PixivとX(旧Twitter)の違いについて
これは1年間運用してきてハッキリと断言できます。「PixivとX(旧Twitter)は全くの別物」です。そもそも伸び方が全く違います。
Pixivは投稿初日に大きく閲覧数が伸びますが、その後もじわじわと検索流入で閲覧数が伸び続けます。そして、この伸びがほぼ衰えません。
一方でX(旧twitter)は投稿初日に大きく閲覧数が伸び、それ以降は閲覧数がストップします。X(旧twitter)は、初動のみなのです。
実際にX(旧twitter)で伸びたイラストがPixivだとそんなに伸びなかったり、逆にX(旧Twitter)ではあまり伸びなかったイラストがPixivだとめちゃくちゃ伸びたり、等の事例が複数件確認できました。
で、「どちらのSNSが作品の純粋な出来に影響されているか?」と言う部分が絵描き民としては知りたい部分だと思いますが、私の体感としては「Pixivの方が純粋に作品の出来に影響される」と断言できます。ただ、これは閲覧数などがキャラ人気やジャンル人気に影響される部分もあるので、私はPixiv上の「(いいね数+ブクマ数)÷(閲覧数)」を指標として使っています。この基準の取り方だと1次創作と2次創作が混在していたり、キャラ人気に幅があったりしても絵の反応としてどうだったか? を見分けやすいので、良ければ使ってみてください。
で、問題のX(旧twitter)ですが、「純粋な絵の出来 + 投稿タイミング + その他状況」が複合的に関連して「伸びるか伸びないか」が決まっているように感じました。なので、他者評価として見た時に「X(旧twitter)で絵が伸びなかった……」といって落ち込むのは精神衛生上良くないと断言できます。極端な事を言えば「運」が関わってくるSNSと言えるでしょう。
X(旧twitter)の投稿タイミングについて
「じゃあ、どのタイミングで絵を投稿するのが良いんだ!?」という部分が今度は気になってくると思いますが、これも正直答えは出ていません。ですが、1年間運用して見て、私なりに思うところはあるので、それについては紹介したいと思います。
まずは「一般的に言われる”伸びやすい時間帯”は存在するが、必ずしもそれは最適解ではない」という事です。まだSNS運用をこれから始めようとしている方だとご存じないかもしれませんが、X(旧twitter)には”伸びやすい時間帯”と言われている物があります。これは「朝の通勤・通学時間帯」と「昼休みの時間帯」と「夕方帰宅する時間帯」と「夜家事などが終わってホッと一息つく時間帯」と「就寝前の時間帯」です。とくに伸びやすい時間帯は夜の18時~20時頃と言われていたりしますし、実際に統計データなどを見てもそうなっているのですが……これには実は個人差があります。
大勢のフォロワーを抱えている場合は、この時間帯説もある程度信用できるのですが、フォロワー数が少ない時は必ずしもこの説は当てはまらないです。極端な話ですが、朝型のフォロワーしかいないのに夜に投稿しても見られないですよね? という話です。
以前は自身のフォロワーの活動時間を把握できるサービスがあったのですが、X(旧twitter)のAPI改訂により、今は使えなくなってしまいました。なので、今はご自身でフォロワーさんの活動時間帯について把握し、それに合わせた投稿時間にする必要があります。(めんどくさいですね
幸いtwitterには予約投稿機能があるので、そういった機能を使って投稿すると良いでしょう。
また、私の場合は二次創作で1年間活動してきたのですが、「●●生誕祭」と呼ばれる特定のキャラクターの誕生日には、界隈が活気づきます。そのタイミングに合わせて特定のキャラクターのイラストを描くと、見てもらえる確率が上がるでしょう。更にできればこの投稿タイミングについても時間を意識した方が良いです。できれば日付変更直後(0時頃)に投稿できると良いです。実際、私の過去伸びたツイートも「●●生誕祭」のタイミングで0時頃に投稿した物が非常に多かったです。個人的な体感としては「人気キャラの生誕祭 + 0時頃投稿 + 翌日が休日」だとかなり伸びやすい印象を受けました。(もちろん、最終的には絵のクオリティがモノをいうので、そこはお忘れなく)
えちち表現について
イラストを描く上で避けては通れない問題の「えちち表現」についても言及しておきましょう。結論からいうと「えちち表現は、やりすぎると伸び辛い」と思います。
そもそもX(旧twitter)のシステム的に、センシティブ判定を受けるとシャドウバンや、アカウント凍結などの害が多い上に、あんまり直接的な表現だと視聴者が「いいねは押すけど、RTは押さない」という行動をとります。なので例え想定読者が男性向けだったとしても、「ぱっと見だと健全だけど、各部の描写にフェチを感じる」だったり、「R-12~R15くらいの表現」くらいまでにとどめた方が良いでしょう。X(旧twitter)の場合の話に限ります。Pixivはまた別です。
セルフRTや、過去絵の再投稿について
これは特に気にしなくていいです。ふつうにやりましょう。
上述したようにX(旧twitter)は伸び方が特殊で、「かなり一過性が強い」ので、ある程度期間が経ったら、過去絵の再投稿などをしても良いと思います。むしろ、新規フォロワーさんなんかだと「こんな絵も描いてたんですね!」と喜んでくれたりします。絵描き側も反応が貰えてハッピー、視聴者も過去絵が見れてハッピー。ウィンウィンです!
なので、タイミングをみて過去絵も再投稿しましょう。
運用面でのNG事項
大人の方なら肌感覚で理解しているとは思いますが、SNS運用を行う上でやってはいけない事がいくつかあります。これは基本的に絶対順守です。
- 政治や宗教の話をする
- 他人の悪口を言う
- 愚痴、ネガティブな発言をする
たったのこれだけです。(でもこれを守れない人が大勢いるのも事実)
最近だとイラスト界隈だと「AIイラスト」関連でよく炎上が発生していますが、あれも政治ネタです。基本的に一個人の絵描きが主義主張を発言しても百害あって一利なしなので、発言には気を付けましょう。あなたのフォロワーは「あなたの絵を見に来ている」のであって、「あなたの発言を見に来ているわけではない」という部分を忘れずにSNS運用しましょう。
質より量か? 量より質か?
これも私自身1年前はかなり悩んだ話題です。「質を落としてでも大量に絵を投稿した方が良いのか?」それとも、「量を落として、1枚1枚の質を上げた絵を投稿した方が良いのか?」という問題です。
これは正直なところ人によって結論が変わると思いますが、1年間週1投稿をやってみた上で言うならば「そこそこの質は保持しつつ、そこそこの投稿頻度は必要」というのが私の見解です。ここでいう「そこそこの質」は「自分基準で80%くらい」、「そこそこの投稿頻度」は「月1枚くらい」が最低ラインかな? と感じました。
私自身、今年の3月までは会社員をしていて、かつ激務だったため「絵を描く時間が確保できない」問題に何度も直面しました。その状態で「週1投稿」ペースを守ろうとすると、どうしても「質」を落とさざるを得ない局面が何度かありました。最終的に投稿し続けた点は自分でも評価していますが、やはり「質を落とした(と自身が思っている)絵」というのは心残りがありますし、SNS上での反応も振るわなかったです。なので、出来れば100%(さらにそれ以上)を出し切って作品を完成させたいところではありますが、最低でも80%位は実力を出して描いた絵を投稿するのが良いと思います。成長という観点で見た際にも、その方が良い影響が大きいと感じました。
そして「投稿頻度」ですが、こちらもどんなに遅くても1か月くらいが最低ラインかな? と思います。どんなに激務でも1か月もあれば1枚くらい実力80%を超す絵は描けます。残業時間が多すぎて、睡眠時間を削って生活していた私が言うんだから、ここは間違いありません。逆にそれで描き上げられないなら、何か他の問題が潜んでいるはずですので、まずは生活のタイムスケジュールを見直してみてください。
繰り返しますが、「投稿頻度」の「月1回投稿」は最低ラインです。SNS運用で「伸ばしたい」と思うなら基本的に投稿頻度は高い方が有利です。ただし上述したように、投稿頻度を優先しすぎると実力を出し切れずに作品を完成させることになってしまうので、実力を成長させる効果は薄くなってしまいます。この辺は自身の目的としっかり相談したうえで運用方針を決めてみてください。
最後に
実は1年前にこの企画をスタートさせた際の目標は「フォロワー数1000突破」でした。1年経った今の私のX(旧twitter)のフォロワー数は「約500」です。おおむね半分くらい達成に見えますが、実際は半分よりも達成率が高いと感じています。なぜならX(旧twitter)のフォロワー数の伸びは指数関数的になると考えているからです。そのための最初のスタートラインが「1000」という数字だと考えています。
そして、実はフォロワー数を伸ばすだけが目的なら方法があります。「繋がってくれそうな人を相手に先行フォローする」という方法です。私自身、この方法は1年前に気づいていましたし、実際に最初はその方針で動いていました。そして、実例としてその方法でフォロワー数が数万人に達している人も幾例か知っています。
しかし1年間SNS運用をしていく中で途中から「数字がどうでもよくなってしまった」という感は否めません。大真面目にX(旧twitter)の伸ばし方を分析する中で、色々な人のアカウントを解析しました。「実力もフォロワー数も凄い方」、「実力は凄いのにフォロワー数は少ない方」、「実力とフォロワー数が不一致の方」、「めちゃくちゃ良い絵を描くのに、ひたすら鍵垢で引きこもっている方」……多くの方を見てきました。
「この人めちゃくちゃ良い絵を描くのにフォロワー数少ないなぁ」と思っていた方が数か月後に「フォロワー数が数万人」に達していた事もあれば、変わらず「フォロワー数が少ないまま」の事もありました。SNS繋がりで仲良くなった方もいましたし、マルチ商法まがいな勧誘を受けたこともありました。良い事も悪い事も、本当にいろんなことがあった1年でした。
そういった色々な経験をしていく中で、自分はどうしても「数値だけを見る」姿勢に徹することは出来ず、「”フォロワー数”を増やす」活動への意欲が無くなってしまいました。なので、1年間のデータとは言っていますが、実際に本腰を入れて活動したのは半年間ほどだったことをここに記載しておきます。
体感ですが、1年間きっちり「数値」を追い続けていれば、当初の目標としていた「フォロワー数1000人」という部分は余裕で達成できていたと思います。ですが、例え達成していたとしても、果たしてその「1000」という数字にどれほどの価値があるのか? という疑念は晴れなかったでしょう。そういう意味では、途中から運用方針を変えたのは自分的に納得のいく決断だったと思っています。
これからSNS運用を始める、と言う方にはそれぞれの目的や想いがあるかと思いますが、続けていく中で疑問に思うことがあれば、その都度ご自身の本当の目的や想いについて考えてみて下さい。最初に述べましたが、場合によっては「優先順位に沿って切り捨てる」決断も必要になるかと思います。
最後になりますが、この記事があなたのSNS運用について、少しでも参考になれば幸いです。クリエイターの本質は「創る」事だと思います。あまり入れ込みすぎず、ほどほどにSNSと付き合っていきましょう。