思い通りの線を引く方法14選:お絵描き歴10年目の筆者が特に効果的な方法を紹介します

こんにちは、イラストの週1投稿は継続出来てるので、ブログも週1投稿にしようと絶賛奮闘中の子猫2000です。ちなみに、イラストは古江みみ名義で活動しています。現在週1回ペースで原神イラスト投稿を継続中なので、趣味の合う方はフォローしてやってください。

最近はお絵描き熱が高いのでブログも絵に関する話を連投していますが、今週は「狙った通りの綺麗な線を引く方法」について私の9年6カ月(記事執筆時点で)のお絵描き経験から効果的だと思う方法を紹介します。

最初に結論

詳細な方法はこれから紹介するとして、まずは結論から。

使用する道具に日ごろから慣れ親しみ、自分の手癖の特徴を理解した上で、細かい線ならゆっくり繊細に、長い線なら勢いを大事に大胆に、持つ位置を適宜変えて線を引く。

以上です。

それでは大きく以下の3つに分けて、順番に詳しく見ていきましょう。

  • 使用する道具に日頃から慣れ親しむ
  • 自分の手癖を理解する
  • 引きたい線に合った方法を使用する

使用する道具に日頃から慣れ親しむ

まずは1つ目「使用する道具に日頃から慣れ親しむ」について、以下の観点から紹介します。

  • 毎日ペンを持つ(絵を描く)
  • 補正をかける
  • Undo操作(Ctrl + Z)操作を使用する
  • 使用するペンを変える

毎日ペンを持つ(絵を描く)

なにはともあれ、これが一番効果的だと思います。

私は20歳で絵を描き始めてから今年でお絵描き歴10年目になりますが、お絵描きに対する熱量には波がありました。今年(2022年)は今までの私史上で一番お絵描き熱が高まっていたので、年始から「今年は1日も欠かさずペンを持とう」と目標を立てて、実際に継続してきました。(この記事を書いているのは2022/10/23なので、およそ10カ月になります。)

それまでは絵を描いたり描かなかったりと、波があったのでペンを持たない期間というのも当然ありましたが、今年に入ってからずっと毎日ペンを持ち続けていて非常に痛感したことが「ペン先が自分の狙った箇所を通る確率が格段に上がった」という事実です。やはり、自分が使用する道具に日頃から慣れ親しむ事は重要です。

ただ、普段と使用するペンが変わると(例えば鉛筆⇒ペンタブのペン等)多少なりとも違和感を感じます。

そこで、「自分が使用するペンと同じペンに、日ごろから慣れ親しむ」というのが第一のアドバイスになります。例えば、普段から鉛筆を使用しており、イラスト制作する際にも鉛筆を使用するなら、毎日鉛筆を持つようにする。そして、何でもいいから実際に描くようにする。

学生時代に運動部を経験した人なら聞いたことがあるであろう「1日サボると取り戻すのに3日かかる」理論は私の経験則からすると事実なので、たとえ風邪を引こうが、たとえ仕事が猛烈に忙しかろうが、毎日継続する事が大事です。なので、自分がそんな状況でも続けられる程度の低めの目標設定をするのが良いです。結果的に低めの目標設定は長続きするコツにも繋がるので、長い目で見ると低めの目標設定はメリットだらけです。

参考までに私は今年の目標として「毎日5分絵を描く」ことを決めて継続中です。5分程度ならどんなに仕事が忙しくても継続できますし、「5分だけ……」と思って描き始めても気づいたら30分経っていた、なんてこともままあります。

人間のやる気のメカニズムとして、「行動してからやる気が出てくる」というものがありますので、低めの目標を設定して、それを長期間継続することをお勧めします。

補正をかける

これはデジタルの方法ですが、デジタルイラスト初心者の方だと存在を知らなかったりします。「手振れ補正」などの名前で各種お絵かきソフトに必ずある機能なので、自分の使用するソフト名と合わせて検索してみてください。

そもそも紙に書くよりもペンタブや板タブに描く際はペン先の摩擦が少なく、ペンが滑りやすくなっていますので、思い通りの線が引けないのは当たり前のことなんです。そんなブレブレの線を、描画直後にソフト側で補正してくれる機能になります。デジタルイラストを描くならみんな使っている機能なので、もし使っていなかったら調べてみてください。

Undo操作(Ctrl + Z)操作を使用する

これもデジタルイラストの基本中の基本ですが、意外と知らない人もいるので一応記載しておきます。髪の毛などの長いストロークの線を描くときは、美しい線を引くためにペン先の勢いが重要になってきますが、勢いよく線を引くと狙いと違う線を引いてしまうのは、絵描きあるあるです。

そんなときに、すかさずUndo操作行えば、直前に引いた線が無かった事になるので、もう一度引き直すことが出来ます。この機能を使用して思い通りの線が引けるまで繰り返してください。

使用するペンを変える

これは入門用モデルのペンタブなどだと無理な方法かもしれませんが、使用しているペンの形状が合わないなら、ペンを変えてしまうのも1つの手です。たとえばペンタブで一番有名なwacomなら、複数のペンがオプション品として発売されています。また、私が他の絵描きさんから聞いた話ですが、文房具の鉛筆やボールペン用のパーツをペンタブ用のペンに流用して自分好みのペンに改造する人などもいるようです。

ペンのグリップ部分は太い方が長時間握っていても疲れづらく、細い方が繊細な作業がしやすいです。またペンの重さも、軽い方が長時間握っていても疲れづらい一方で、重いと安定した線が引きやすくなる、というメリットがあったりします。是非あなた好みのペンを探してみてください。

自分の手癖を理解する

2つ目は「自分の手癖を理解する」について以下の観点から紹介します。

  • 自分が引きやすい線を知る
  • 無理に一筆書きしない
  • 線を引く前にイメージする
  • 呼吸を止めて線を引く

自分が引きやすい線を知る

突然ですが質問です。

「あなたが一番引きやすい線の角度、長さ、は何ですか?」

――この質問にあなたは明確に答えられますか?

私も以前はそうでしたが、お絵描き初心者だと線を引くことに精一杯で意外と気づいていなかったりする事実が「必ず自分が引きやすい線のパターンが存在する」と言う事です。これに関しては断言できますが、必ず「この角度、この長さだと線が引きやすい!」というパターンが1つは存在します。

個人差の激しい部分なので、断言はできませんが、右利きなら右上から左下へ向かう線、左利きなら左上から右下へ向かう線、が得意な傾向にあります。

色々な角度、長さの線を引いてみて、自分の得意な線を知ろう

そして、デジタルイラストなら上下反転、左右反転、回転、拡大、縮小、が可能ですので、「ひたすら自分の引きやすいパターンの線だけを使って作画する」と言う事が可能となります。

アナログで絵を描いている人はみんな無意識に体を回転させたり、紙を回転させたりして絵を描きますが、デジタルでも同様の事が可能です。この方法に気づくと途端に線が綺麗に引けるようになったりするので、もし知らなかった人は是非試してみてください。

無理に一筆書きしない

こちらも初心者あるあるですが、絵を描くときに一筆書きする必要はありません。むしろ、無理に一筆書きしようとする事で、自分が引きづらい長さや角度の線を引くことになってしまい、ふにゃふにゃな線になる原因となってしまいます。

恐らく他人の絵を見た時に「線が綺麗に繋がってる = 一筆書きしている」と錯覚した結果なのでしょうが、Youtubeなどでプロのメイキング映像などが手軽に見れる時代です。一度プロの作画過程をご覧になってください。

実際に見てみると分かるはずですが、プロでも重ね書きをして線を引いているので、重ね書きすることは恥ずべき行為ではありません。臆することなく、ガンガン重ね書きしていきましょう。

線を引く前にイメージする

なんか抽象的な事を言っているように聞こえるでしょうが、大真面目です。線を引く際に始点と終点、どんなカーブを描くのか、などハッキリ意識してから線を引くようにして見てください。思い通りの線を引ける確率があがるはずです。

絵を描く上では、「線を引く」という行為は最小単位のアクションで膨大な数をこなさないといけないため、ついつい無意識に行ってしまいがちです。そもそも、繰り返し同じ作業をする際、脳は処理能力を低下させるものなので、別にあなたが怠け者という話ではありません。人間がそういう体のつくりなだけなのです。

無意識に線を引くことは時短になる、と感じている読者もいるかもしれません。しかし、無意識に線を引いた場合、そもそも引きたい線のイメージが薄いため、綺麗な線が引けるかどうか、というのは運試しのようなものになってしまいます。結果として何度も線を引きなおす羽目になり、余計に時間がかかってしまいます。

それなら最初からしっかりと引きたい線を明確に意識してから引いた方が時短にもなり、良いのではないでしょうか?

呼吸を止めて線を引く

最後に紹介するのは他だと紹介されているのを見た事が無い手法です。しかし、私が実践してみて効果的だと思ったので紹介します。ずばり「線を引くときに呼吸を止める」という方法です。

普通に生活していると呼吸による微細な揺れは気になるほどではありませんが、絵を描く際はペン先が1mmずれただけでも描画対象によっては大きな影響があります。つまり、呼吸による微細な揺れも絵を描く際は影響するわけです。

呼吸を止めると、その間は揺れが抑えられますので、予期せぬペン先のブレが防げます。

ちなみに、この「呼吸を止める」という方法ですが、米軍の狙撃教本にも大真面目に書かれていた内容です。狙撃は手元が1mmずれるだけでも数百m離れた着弾点では大きな差となって現れる繊細な技術です。その指先に込める繊細さへの執着は、絵を描く際の指先への集中と通じるものがあるでしょう。

騙されたと思って「呼吸を止めて線を引く」方法も試してみてください。なお、呼吸を止めすぎて酸欠にならないように注意してくださいね(笑

引きたい線に合った方法を使用する

3つ目は「引きたい線に合った方法を使用する」について以下の観点から紹介します。

  • キャンバスを拡大、縮小する
  • ペンを持つ位置を変える
  • ペンを動かす速度を変える
  • ベクターレイヤーで後から補正する
  • ソフトを変更する
  • ペン先を変更する

キャンバスを拡大、縮小する

髪などの長い線を描く時はズームアウトし、出来るだけ少ない(可能なら1ストロークで)線を引いた方が、「入り」「抜き」のある綺麗な線が引けます。逆に髪の先端などの細かな線を描くときはズームインすることで、微妙な角度の差を描きやすくなります。

ペンを持つ位置を変える

私のように独学で絵の勉強をした人は知らなかったりする事ですが、ペンを持つ位置を変える事でも、線の描きやすさが変わります。ペン先に近い位置を持つと細かな線を描きやすくなり、ペン先から遠い位置(極端な例だとペンのお尻の方)を持つと長い線が描きやすくなります。

ただし、ペン先から遠い位置を持つ方法は、お絵描き以外ではあまり持ったことが無い位置なこともあり、多少の慣れが必要です。日ごろから少しずつ練習しましょう。

ペンを動かす速度を変える

ペンを動かす速度でも線の引きやすさは変わります。髪の先端などカーブの強い線はゆっくり丁寧に、カーブの弱い線は筆の勢いを殺さずに素早くサッと(失敗したらUndo操作でやりなおし)描きましょう。

ベクターレイヤーで後から補正する

これはソフトによっては存在しない機能ですが、例えばお絵描きソフトとしてシェアNo1のClipStudioなら「ベクターレイヤー」というものが使えます。

普段私たちが使用しているのは「ラスターレイヤー」と呼ばれる、情報をドット(点)で保持する形式のレイヤーですが、「ベクターレイヤー」は情報をベクトル(線)で保持します。そのため、後から線をドラッグドロップで修正したり、線に使用したペン先の種類を変えたり、などと言った事が可能です。

お使いのソフトにもしついている機能でしたら、ベクターレイヤーを使用することで後から線を補正することが出来ますので、是非試してみてください。

ソフトを変更する

これも同じソフトばかり使っていると盲点になりがちですが、何もラフ、線画、着彩、仕上げ、の全工程を同じソフトでやらなければならない、という縛りプレイの必要はありません。たとえば仕上げや着彩段階には強い有名なPhotoshopというソフトがありますが、あのソフトはもともと写真の加工用ソフトであることから動作が重く、ラフや線画にはあまり向いていません。

適材適所で、使いやすいソフトを使用しましょう。たとえば有名どころだと、SAIは線の引きやすさに定評がありますし、ClipStudioは色々な事が出来る幅の広さに定評があります。もし使ったことが無ければ、普段と違うお絵描き用ソフトを使ってみるのもオススメです。

ちなみに、私は長年FireAlpacaとMedibangPaintという無料のソフトを愛用していましたが、ベクターレイヤーが使用したくてClipStudioに乗り換えました。最初は戸惑うことが多かったですが、おおむね1週間ほどで慣れましたので、新しいソフトを使用するハードルはそれほど高くないと思います。

ペン先を変更する

最後はペン先を変更する、というポイントです。

デフォルトで入っているペン先だけでも最低限必要な種類は揃っていますが、ネット上には有志が公開した数々のペン先が存在します。同じ線画でもツルっとしたペンと、鉛筆のようなざらざらしたテクスチャ感のあるペンで、見る人に与える印象は大きく変わります。自分がその線で艶やかな印象を出したいのか、無機質な雰囲気を出したいのか、素朴な温かみを出したいのか、などペン先についても色々と試してみてください。

まとめ

思い通りの線を引く方法はいかがだったでしょうか? もっと短い記事になるはずだったのですが、余すところなく私の経験則を伝えようと思ったら、気づけば長めの記事になってしまいました(笑

最初にも申し上げましたが、使用する道具に日ごろから慣れ親しみ、自分の手癖の特徴を理解した上で、細かい線ならゆっくり繊細に、長い線なら勢いを大事に大胆に、持つ位置を適宜変えて線を引く。というのが、今回の結論になります。

お絵描きはマラソン競技みたいなもので、長く続ければコツコツと実力も積み重なっていきます。自分が使用する道具と慣れ親しんで、思い通りの線を引き、楽しいお絵描きライフを送りましょう!

他にもお絵描き記事を書いていますので、この記事が面白かったり、役に立った、という方はごゆっくりしていってください。