[本当に臭い?]東京湾奥のクロダイを食べてみた。具体的な下処理と共に紹介。

おニューのアジングロッドに入魂できなかった悔しさから昨日も釣りに行ったのに、何の成果も得られなかった子猫2000です。何なら、昨日は風が滅茶苦茶に強くて、せっかく釣りに行ったのに、ジグヘッドを投げる練習にもあまりなりませんでした。ぐぬぬ……

今日は一昨日の11/21(土)釣行時に釣ったクロダイを食べたのでご報告をば……

ちなみに筆者は料理が趣味で、「料理は科学だ!」が口癖なので、持てる知識を総動員してきました。魚は生ものですので、釣り上げた場所/時期の違いや、個体差、調理過程などの違いによって味は左右されますので、予めご了承ください。

東京湾奥のクロダイは臭くて食べれない?

なんかこうネットでもそうですし、リアルに他の釣り人が会話しているのも聞いたことあるんですが、「東京湾奥で釣れた魚は臭くてとても食べられた物じゃない」らしいです。特にスズキやクロダイは悪食で何でもかんでも食べるから特に臭い、らしいです。

ほんとかな~???

昔から実際に体験してみないと信用しないタイプの私としては、疑心暗鬼でした。

ちょうど11/21(土)に友人達と釣行した際に、針外しに手間取ったミニクロダイがいたので、お持ち帰りして食べてみました。

前提条件

正直ネットの情報とか、他人が話していた内容とか、どれも食べたときの条件が違うと思うんですよね。なので出来るだけ今回のクロダイの条件を記載したうえで食べた感想を述べることとします。

  • 釣り上げてから5分経たないうちに、ナイフ絞め&血抜きした
  • 釣り上げてから5分経たないうちに、頭を落とし内蔵も取り出した
  • お腹の中を洗浄し保冷剤の入ったクーラーボックスへIN
  • クーラーボックスへ入れる際、冷凍焼けを防ぐためにビニール袋に入れてタオルで包んだ
  • 帰宅後、当日中に流水で洗浄&ウロコ除去した
  • 臭み取り用に塩もみを行った後、流水で洗浄
  • キッチンペーパーで水分を取った
  • 更に新しいキッチンペーパーで腹部分と魚体全体を包み冷蔵庫にIN
  • 3枚おろしにしたのは調理直前
  • 季節は初冬(11月)
  • 釣り上げた場所は「有明西ふ頭公園」

腸炎ビブリオ対策で帰宅後に流水で洗うのは滅茶苦茶しっかり洗いました。

もうぶっちゃけ魚屋に並んでいる魚より処理に気を使ってる自負があります。そうです、魚屋さんで売っている魚より新鮮だと言い切ります()

血を抜かないと臭くなる?

なら釣り上げて即血抜きしよう!

すぐに即死させないとATPが消費されて旨味が減る?

なら釣り上げて即絞めよう!

持ち運び中の温度が高すぎると腸炎ビブリオが活性化して食中毒の危険がある?

なら食べる直前まで低温を保とう!

でも氷に直接触れると身が焼けて不味くなる?

ならタオルで包んで直接当たらないようにしよう!

魚の臭みは水溶性だから洗った後に水気が残っていると臭くなる?

ならキッチンペーパーでしっかり拭こう! ついでに保管時はパッキングしよう!

……

とまぁ、こんな感じで自分が出来うる限りの最善を尽くした上での食レポです。

ここまで手を尽くして、それでも臭いなら残念ですが東京湾奥のクロダイは臭いという結論を甘んじて受け入れましょう。

結論

御託は良いから結果はどうなんだ? という声が聞こえてきそうですので、先に結論を述べますと……

めっちゃ旨い!!

クロダイって釣り人以外には知名度が低い魚だと思いますが、日本人なら誰でも知っているであろう真鯛の仲間です。どう考えても持っているポテンシャルは高いんです。

クロダイのカルパッチョ

先に結論から入りましたが、今回はカルパッチョにして頂きました。

ぶっちゃけ「真鯛のカルパッチョです」とか言われて出されても信用するレベルで美味しかったです。口に入れるとイタリアンパセリとレモンの爽やかな香りが広がり、後を追ってオリーブオイルに優しくコーティングされたクロダイの身が舌に触れます。

綺麗で臭みの無い白身なので、口に入れた瞬間の爽やかな香りを全く邪魔しないです。そして、柔らかくもっちりとした身を噛みしめると、じんわりとクロダイの身の甘さが口の中いっぱいに広がります。

いや、めっちゃ美味しい!!

(大事な事なので2回言いました)

今回、クロダイを食すにあたってFamFishingさんの記事を参考にさせていただきました。正直、当初は食中毒が怖いので生食なんてしようと思わなかったですが、しっかり理解して対策を取ったうえで食べれば大丈夫ですね。なんなら釣り上げてから口に入るまでの過程がハッキリわかる分、お店で売っている魚より安心して食べられました。

食べる前は「え~、本当に生で食べて大丈夫なの? 腐ってない?」などと言っていた家族も、実際に食べてからは「!? めちゃくちゃ美味しいじゃん!! なにこれ!? もっと大物釣ってきて」と鮮やかな手のひら返し(笑

なので私としては、東京湾奥のクロダイ、ちゃんと処理すれば美味しい説を推したいと思います。

釣り上げたとき臭くなかったの?

先に結論を述べてしまいましたが、食べるまでの過程についても言及しておきましょう。私自身、実際に食べるまでは半信半疑だったところもありますし、同じような疑問を持っている方がいると思います。

食べるまでの匂いの変化を時系列順に追ってみると……

  1. 釣り上げた直後:独特の磯臭さあり。ふつうに臭い!
  2. 絞めた後:もちろん臭い!
  3. ウロコを落とし水洗いした後:ちょっとマシになったが磯臭い
  4. 水気をふき取った後:やっぱり、ちょっと磯臭い
  5. キッチンペーパーで包んで冷蔵庫に1.5日放置した後:キッチンペーパーが水を吸っており、そちらは臭いが……身は臭くないぞ???
  6. 3枚おろし、皮ひき後:無臭。全く臭くない。

という感じでした。きちんと下処理してやれば全く臭み無く頂けました。今回実際にやってみて、個人的に臭み対策でポイントだと思った部分は以下3つでしょうか。

  • 釣り上げた直後に絞めて血抜きすること
  • 低温状態を維持して釣り場から持ち帰ること
  • 下処理後にキッチンペーパーで包んで冷蔵庫で保管すること

言わずもがなですが、血は臭みの原因ですから、血抜きを行う事と、絞めて暴れさせない(身に血を巡らせない)ことは直接的に臭み対策になっていると思います。

それとは別のベクトルの臭みで、怖いのが腐敗臭。今は冬なので危険は減っていますが、釣ってから持ち帰るまでしっかりと冷やした状態を維持しましょう。臭いどころかお腹にダイレクトアタックされるのは嫌ですからね。

そして最後に下処理後にすぐ食べるのではなく、キッチンペーパーで包んで冷蔵庫保管することを推奨したいです。今回、明らかに冷蔵庫で1.5日寝かせる前後で臭みが取れました。ドリップのような赤い液体ではなかったですが、1.5日経過して取り出した際に魚を包んでいたキッチンペーパーはしっかりと濡れていました。そして、その水分が臭かったのに、身は臭くなくなっていた事より、臭み取りに一役買っているであろうことは明らかです。

もちろん釣った直後でしか味わえないコリコリ触感を楽しみたい場合は別ですが、特に理由が無ければ当日食べるよりも臭み無く美味しく頂けます。肉も魚も熟成させることによりうまみ成分が増える効果も期待できますので、是非試してみてください。

……

世間で臭いと言われていたクロダイは全く臭みがなくてマダイと遜色ない美味しさだったし、もしかして臭いと噂の湾奥スズキも美味しいんじゃなかろうか……?

うーん、食べてみたいですが、釣り初心者の私の場合、まずは釣り上げるところが難関になりそうですね(苦笑